症 状
発作を繰り返すと、ぶどう膜とその周りの組織が傷つき、視力が徐々に低下して、失明にいたることもあります。
また、合併症として緑内障や白内障などが起きることもあり、これらも視力低下の原因となります。
治 療
そのため、眼発作を起こさないようにコントロールし、可能な限り視力を低下させずに維持することが治療の大きな目的となります。
治療は、発作が起きた時に炎症を鎮める発作期治療と、発作が起こるのを事前に予防し症状をコントロールした状態を維持する寛解期治療に大きく分けられます。
発作期治療では、虹彩(こうさい)や毛様体(もうようたい)など前眼部に発作が起こっている場合は、ステロイドや散瞳薬の点眼薬を用います。
一方、網膜(もうまく)や脈絡膜(みゃくらくまく)などの後眼部まで炎症が広がる発作が起こっている場合はステロイドのテノン嚢下注射が使われます。
また、寛解期治療では、発作を予防する治療薬として、好中球遊走抑制薬、免疫抑制薬、抗TNFα製剤などが用いられます。
* 皮膚症状
症 状
【 結節性紅斑皮疹 】
足首から下腿を中心に、赤く腫れた発疹ができます。
また皮下に硬いしこりのようなものができ、痛みを伴います。
【 毛嚢炎様皮疹 】
顔、頸、胸などにニキビに似た皮疹が見られる事もある。
【 表在性血栓性静脈炎 】
皮下の静脈に沿って痛みが出る血栓性静脈炎が見られることもある。
いずれも1~2週間程度で痕を残さず治癒しては再発を繰り返します。
そのほか共通の症状として、皮膚が過敏になり、虫刺され、剃毛、注射といった皮膚への刺激によって赤みを増したり腫れたりといった「カミソリ負け」に似た症状が見られます。
治 療
様子を見て、症状が治まるのを待ちます。
症状がひどいときにはステロイドの軟膏によって炎症を抑えることもありますが、多い事例ではない。
内服薬を用いることもあります。
症 状
ほとんどすべての患者さんに現れる症状で、口唇、頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜、扁桃、咽頭に円形の潰瘍ができます。
いわゆる口内炎で、痛みを伴う。
同時にいくつもの潰瘍ができることもあります。
多くの場合、最初に起こる症状でもありますが、この段階ではベーチェット病を疑う人は稀ですし、受診しても確定診断は難しいのが現状。
口内炎は1週間から10日ほどで治癒しますが、経過を通じて繰り返して起こることも特徴です。
治 療
口腔内や喉の奥まで同時にいくつもの潰瘍ができることがあり、発症するとつらいことが多い症状ですが、基本的には様子を見ながら炎症が引くのを待ちます。
痛みが強いときは軟膏や口内炎用貼り薬を用いることもあります。
症 状
性器の周辺に痛みのある潰瘍が生じ、1~2週間で治癒し、再発を繰り返します。
男性では陰嚢、陰茎、亀頭。
女性では大小陰唇、腟粘膜。
外見では口腔内にできる口内炎に似ているところもありますが、口内炎ほどの頻度では発症しません。
痛みが激しい場合は歩きにくくなり、瘢痕が残ることもあります。
女性の場合、排尿時の痛みが強く、また、生理の周期に一致して悪化することもあります。
患者さんにとっては相談しにくい症状ですが、診断上の決め手となることも少なくありません。
治 療
痛みが強い場合はステロイド軟膏が有効ですが、長く続けるべきではありません。
局所を清潔に保つことも大切です。
飲み薬が効果を示すこともあります。