§ぶどう膜は眼球を包む、血管が豊富な組織§
これらの組織は眼球全体を覆っているために形は球形で、血管やメラノサイト[ 紫外線を防ぐメラニン色素を作る細胞。眼球内ではカメラの暗箱を作る役割を果たしている。ぶどう膜だけでなく全身の皮膚や毛の色に関係している。]が豊富で色もぶどうの実に似ていることから、ぶどう膜と呼ばれている。
ですから、血管が多いぶどう膜は、非常に炎症が起こりやすい場所。
炎症が眼球内に及びやすく視力に影響
もう一つの特徴は、ぶどう膜は網膜〈もうまく〉とほぼ全面で接しているので、そこに炎症が起こると網膜に影響を与えやすい。いろんな点から調べてみても、原因がわからない場合も2~3割ある。
些細なことでも医師に伝える
ぶどう膜炎の診断はとても難しいので、どんな些細なことでもお話ししてください。視力の低下
炎症によって集まった細胞や血液成分が硝子体〈しょうしたい〉に広がると、眼球内部が濁り、霧がかかったように見えたり、まぶしかったりして、視力が低下します。
また、炎症が網膜に及んだり網膜剥離が起こった場合や、続いて起こる白内障や緑内障によっても視力が低下します。
飛蚊〈ひぶん〉症
炎症で生じた硝子体内の濁りや浮遊物によって、目の前にゴミのようなものが見えます。これは一度出てしまうと、なかなか消えません。
充血
虹彩や毛様体の炎症が強いときは、強膜〈きょうまく〉や結膜〈けつまく〉(白目)が充血します。
鈍痛
炎症が起こると鈍い痛みを感じることがあります。
また、続いて起こる眼圧異常で違和感が出ることもあります。
硝子体:眼球内部の大部分を占めているゼリー状の組織で、眼球のかたちを内側から支えるとともに、眼球内部を無色透明に保つ役割をもっています。