愛佳と出会ったのは2015年の夏。

あれから、デビューし三年が経っていた。









愛佳が休養して5ヶ月が経った。





愛佳が卒業発表をした。




前から卒業のことは聞いていたが、
実感がわかない。





愛佳は私の相方のような存在だ。


私の隣の席は愛佳しか座れない。





今だってそうだ。







今日は愛佳に「りさっち行っていい?」
と聞かれ、今は私の家だ。




いつもみたく隣で無邪気に笑っている。



でも、そんな愛佳を見ると安心できる。

なぜかわからないけど、ホットするんだ。


りさ  「卒業発表したのに、メンバーに会わなくていいの?」


愛佳  「いいよ、忙しそうだし。会っても何話せばいいか分からないからさ(笑)」




愛佳は恥ずかしがり屋だから、仕方ないかぁ。


りさ   「はぁ.....」


私はため息をつく。


愛佳  「なに?(笑)私が卒業するの寂しい?
(·∀·)ニヤ」


と、ニヤニヤしながら聞いてきた。


りさ   「そりゃ、当たり前じゃん!」

          「愛佳は、寂しくないの?」


愛佳   「寂しいよ。でもファン、スタッフさん、メンバーに会うと心配かけちゃうからさ。」

と、また笑顔でいう。

でも、その笑顔には
  寂しさ  弱さ  が写っいたようにみえた。


愛佳はいつもそうだ。


バカ、寂しいくせに強がって、周りのことを気にしている。



りさ  「バカ。心配かけていいの!
愛佳はいつも強がって、弱みを見せずに笑ってる。」


「私に前だけでも泣いていいんだよ?」


私が泣いてしまった。

愛佳は「ごめん。」と言って涙を拭いてくれる


今日が最後というのに愛佳を困らせてしまった。


愛佳を見るとさっきの笑顔とは違う、
優しく微笑んでくれた。





けやかけで愛佳の笑い声が聞こえるとそれにつられてみんな笑える。


みんなの笑顔を作ってくれるんだ。


元気がない時は、愛佳がいうハッピーバリアで
守ってもらっていた。


休養でいないとき、楽屋、けやかけで響いていた笑い声がなくなり少し静かだった。





正直に言うと、卒業してほしくない。
また、馬鹿なことしてみんなで笑いたかった。


でも、それを言うと
困らせてしまうから言わなかった。





愛佳  「でもね、りさ。
私は欅坂46に入って後悔はしてないんだ。
いつでも私を受け入れてくれて、
そばで支えてくれたメンバーが大好き。
だから、卒業するの。
アイドルの私を、欅坂46の志田愛佳を辞めて
普通の人生を楽しみたいんだ。
だから、ね?そんな悲しい顔しないでよ。」



愛佳がこんなことを言ってくれたのは初めてだ。




りさ  「うん.....分かった。」




愛佳  「あ!もうこんな時間!」


外を見ると暗くなって、月が見えていた。


りさ   「愛佳どうする?泊まってく?」


愛佳    「うん!泊まりたい!」


りさ    「分かった、じゃあご飯食べよ。」



晩御飯を作り、二人で食べ終わった。


そのあと、二人ともお風呂に入り


ベッドで寝た。

でも、私は寝れなかった。
明日になったら愛佳が欅坂46じゃなくなる。

すると、後ろから暖かいものに抱きしめられた。

私の好きな匂い。

でも、愛佳は何も言わない。
ただ私を優しく包み込んでくれた。

私は安心感と共に寝むりに落ちた。





朝起きたら、隣には誰もいなかった。

愛佳もいない、荷物もなかった。


そうだ、もう愛佳はいないんだ。

ベッドから起き上がると。

手紙が置いてあった。

開けると一枚だけ入っていた。



りっちゃんへ

これを読んでる時にはもう私は欅坂46の志田愛佳じゃないよ〜!ただの一般人!!
何も言わないで家を出ちゃったから、
りっちゃん怒ってるでしょ?(笑)
ごめんね。寂しくてこういうお別れしかできないの。
卒業ライブとかやらなかったから思い出が少ないって感じると思うけど、
私の心に沢山あるから、満足なんだ。

今までありがとう。
大好き。さようなら。

愛佳より。







さよならって.....





私は愛佳に電話をしようと思ったが、
何度かけても繋がらなかった。



LINEもなくなっている。


メンバーのグループLINEも退会している。










私は泣き崩れた。
声を抑えずに。








すると、インターホンがなる。






でも、私は出れなかった。
悲しみでいっぱいだからだ。



すると、ドアが開き。




「りさぁー?」と聞いたことのある声がする。



由依だ。


由依は私に気付き、すぐに駆け寄ってきて
背中をさすってくれた。


でも、なんで泣いているのか聞いてこない。


由依みると、手紙をみていた。




その後も何も言わず、ただ私を落ち着かせてくれた。




その日はずっと由依が一緒にいてくれた。














あの日から、メンバーにもすべて言った。

みんな泣いていた。











今日は愛佳の誕生日だ。
誰も忘れてなんかない。





ただ、「卒業おめでとう」「誕生日おめでとう」
と言えないのが心残りだ。





すると、インターホンがなる。


りさ  「はぁーい、」









「渡邉理佐さんのご自宅で間違いないでしょうか。宅配便です。」






と、花を渡された。




宛名は書いていない。





花に小さい紙が挟まっていた。


"絆"

とだけ書いてあった。
意味がわからない。



花も分からない。





りさ「ねぇ、由依、なんか花届いたんだけど。」



由依  「あー、なんか事務所にも届いたらしいよ。」


りさ   「これなんていう花?」


由依    「これは、フリージアだね。」


聞いたことがない花だ。

スタッフさんに他の花を見せてもらうと、


フクジュソウ、スターチムというのが届いていた。


フクジュソウには、"謙虚"

スターチムには、  "優しさ"



"謙虚  優しさ  絆"



由依 「これ、私達と関わりのある人が送ってくれたよね?」

りさ 「うん、そうだと思う。」



と、考えていたら








由依は泣いていた。




りさ「え!なに、なに、どうしたの?」


由依の背中を擦りながら、落ち着くのを待った

あらためて、由依に聞いてみた。


りさ「由依、どうしたの?」

由依「この三つの花の花言葉、考えてたら
涙が....」



私はすぐに調べた。
すると、


フリージア・・・親愛の情

スターチム・・・途絶えない記憶

フクジュソウ・・・幸福を招く








なぜ今日
この花が届いてきたのか。


私は自分に届いた花をもう一度見た、

束になっていた所を剥がすと、
そこには、
「りっちゃん」と書いてあった。


これを見てわかり、涙が溢れてきた。




「りっちゃんなんて、
わかりやすすぎるヒントだよ.....
バカだな.....



















                                                        愛佳。」















私はあなたみたいに生きていけるかな。







あなたみたいに、無邪気な笑顔で、
人生楽しめるかな。












永遠は生まれない。













君はセゾン

僕の前に現れて

君はセゾン

日常を輝かせてくれた。


















Wish your happiness






✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄




長くなってしまいました。


花言葉は多分あっていると思います