こんにちは!
「身近な本格派」
「日本一アマチュアを理解するプロ」
音楽家・クラリネット奏者・管楽器コーチの浅原ルミ子です。
「クラシック音楽って堅苦しい」
という言葉をよく耳にします。
友人からも聞きますし、世間一般の感想としても。
この「堅苦しい」を掘って行くと
- 行儀よく聴いていなければいけない
- 客席では身動き一つとっていけない
という認識が見つかります。
これについて私の考察を書きます。
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小学校や中学校で「芸術鑑賞会」が行われ、クラシック音楽演奏会を強制的に聴かされた方も多いのではないでしょうか?
その際、諸注意として
「行儀よく聴きなさい」
と言われませんでしたか?
私は、クラシック音楽視聴に関わる「堅苦しさ」は、これが深く関わっていると推測しています。
この場合の「行儀よくする」の具体的内容は
- 私語を慎む
- 大きな音を立てない
- 静かにしている
- 席上でむやみに体を大きく動かしたりしない
こんな感じかな?
これって、なんの為でしょう?
目的はなんでしょう?
行儀よくする為にクラシック音楽コンサートを聴きに行くのでしょうか?
それは違うはずです。
(だったらマナー講座とかでもいいですもんね)
では、なんなのか?
私は
奏者と聴衆が互いに敬意を払って、その時間を充実させる、コンサートを成功させるため
と考えています。
Win-Winの関係を作るんですね〜。
奏者の立場から言うと、楽器の演奏、特にクラシック音楽に関わるアコースティック楽器の演奏は、すごく細やかに神経を使い、とてつもなく繊細に体を動かしています。
特に聴覚については、普段の何十倍も敏感になっていて、そのおかげでコンサート会場で共演者とコミュニケーションが取れたり、自分自身の音を聴きながら次の音を紡いでいくことが可能になります。
また、スピーカーやアンプ等を使用せず、とても小さな音から大きな音まで様々な音量を生身の体を使って出しています。
なので、あまりにも大きな雑音や騒ぎ声が演奏中に耳に入ると、途端で体のバランスが崩れてしまいます。
(あんまり雑音が気にならない人もいるかもしれないけれど、少なくとも私は)
しかし、ここで大事なのは、奏者と聴衆は対等な関係である、ということです。
奏者の方が偉くて、演奏をしてあげる訳ではなく
聴衆の方が位が高くて、演奏を聴いてあげている訳でもなく
双方はコンサート空間と時間を共有するのに対等な立場である、ということ。
その上で、演奏という技術、演奏会という時間に対してチケット代等が発生する訳ですが、それは、コーラを飲みたい人がお金を出して買うのと同じ。そしてここにも価値の創造、提供とそれを受け取る方に対等性があります。
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かといって聴衆が常にじっと静かにしているかといえば、そうではありません。
例えば、私が大好きなバーバラ・ハンニガンがオランダのLudwig Orchestraを歌い振りしたコンサート。そのエンディングで聴衆を声をあげて喜びます。
「うおーーーーーーー!!!!」って言ってますね!指笛まで聞こえます。
オランダでのクラシック音楽コンサートはいつもこんな感じで盛り上がってました。
このコンサートは前半にベルグとかシェーンベルグとか演奏しているれっきとしたコンサートです。
演奏前でも聴衆がヤイノヤイノと盛り上がる場合もあります。
オランダの音楽院の卒業リサイタルなどでは、舞台に登る生徒を励ますべく結構大きく拍手してくれたりします。
ということで、クラシック音楽コンサートを生で聴く際、「行儀よくする」というのは、1ミリも身動がないことが目的ではないのです。
しかも「行儀よくする」という言葉はちょっと誤解を招いちゃいますね。
なんて言えばいいかな、そうだな
良い時間をシェアするために互いに協力する。
演奏家は誠心誠意演奏をし、聴衆はそのための環境を作る。
その手段として、静かに聴いてね。
こんな感じ?
むしろ、クラシック音楽は1作品がポップスやロックよりも長い場合が多いので、椅子の上でリラックスして聴くことがコツだったります。足を組んでも良いし、背もたれに深くもたれても良いし、背中を丸めても良いし、うたた寝してもよいのです。
少なくても私のコンサートでは、ぜひそうして聴いてくださいね。
皆さまとよりよい時間と空間をチェアできるように、そのようなMCも入れるようにしておりますデス。
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