席をお母さんの19列中央番と座り替え6列下がって聴いてみました。
6列下がるだけで音の聴こえ方が全然違い、前半に座っていた13列目は音の波動が直接伝わってきますが、19列目は音の響きや伸びを楽しめました。
後悔したのが、曲調からすると前半の四季を19列に座り、後半のスケルツォを13列に座ればよかった・・・・
さてスケルツォですが、まさにラン・ランの演奏!
急速なパッセージは心に迫る感動的な旋律を奏で、静かな旋律はしつこい程に甘美に歌わせ、満を持したかのように、全音階を駆け巡り力強い音は堂々と響き渡り華麗なコーダ!
スケルツォを聴いていると秋の落ち葉が舞い散る公園の風景で頭がいっぱいになり目頭が熱くなる。
それなのに、2番を弾き終わったラン・ランはタオルで汗を拭いた後、ポケットから目薬をだして
突然点眼!!
会場は笑いが・・・・
ここで笑いは要らないよ(TT)・・・と思ったけど。
3番!
左手の激しく暗いオクターブを聴かせ、上から下がってくるとても美しい分散音。
すぐにショパンの世界へ引き戻されました。
スピード感と緊張感を併せ持つと幻想的で壮大華麗なコーダ。
4番は急・緩・急で構成されるスケルツォ。1-3番とは違い明るく軽快な主題が聴こえると、「あ~これで終わりなんだ」となんとも悲しい気持ちになり、細かい昇降和音はいっそう美しく、調性を変えながら哀愁極まりない旋律は「終わらないでくれ」と私の嘆きとなり、陶酔したまま華麗に終わってしまった。
「bravo!!」
ラン・ランはピアノを「弾く」というよりは「鳴らす」のがすごく上手いというか天才的!!
曲の解釈は「溜め」と「放出」が極端で、常に予想外の歌い回しが独創的。
ぺダリングは絶品。音が濁ることもなく何をどうしているかさっぱりわからない。
激しいピアニストのイメージですが、超絶技巧であることは間違いなく、いとも簡単に難しい跳躍をオーバーな動作にも関わらず的確に簡単に余裕をもって弾ききる。
そして、ppの弱音、decrescendoは音の美しさや表現はズバ抜けており、官能的、色気ムンムンでうっとり弾くんです。
会場は最終的にはスタンディングオベーション。
ポンセの間奏曲は2014年のリサイタルでも披露されました。
「美しすぎる」の一言に尽きます。
ファリャの火祭りの踊りなんて、LANG LANG !!! BANG BANG !!!
爆!爆!速!速!爆!
速い速い!! 上手い!!
これじゃあ真央ちゃんは踊れないと思いました(笑)
ガーシュウィン3つの前奏曲、第3番。
これもLANG LANG !!! BANG BANG !!!
速い!リズム感がとっても素敵、アメリカンで若い!
そんな感じの演奏でした。
終わったらサイン会の列、すごいこと!!
可哀想に・・・と思いつつも並び。
1時間以上並びましたが、後ろにはまだまだサインを求めるファンの列。
これならサイン会しなくてもいいから、バッハのイタリア組曲を演奏してほしかったなぁ。
昔、ほっぺをブルンブルンさせて饅頭のような顔して弾いていたラン・ランはすっかり痩せてカッコよくなっていました。
3人分、しっかりプログラムとCDにサインを貰ってきました。
私にとって2014年のモーツァルトK283、K282、K310とショパンバラード4曲のプログラムがまさに「神髄」演奏だったことに変更は生じず、あの時ほどの感動には優らなかったけど、今回のラン・ランのリサイタルとてもよかった。
ピアノの調律はダメだと思ったけど・・・・
ただし、いま世界で一番輝いているピアニストだったとしてもチケット代が高すぎると思いました。
S席18,000円、A席15,000円、B席12,000円。2014年よりもお客さんの入りは少なかったし、日本の4公演合わせても、サントリー以外はなかなかSOLDOUTになっていませんでした。
ラン・ランの演奏は言うまでもなく素晴らしい。
素晴らしい音楽はたくさんの人に共有してほしいし、クラシック音楽がただ聴いているだけのつまらない音楽と思っている人達にも、こんな楽しく演奏する超絶技巧の演奏家を知ってもらいたい。将来のある子供たちにもぜひ聴いてほしいと考えたときに、破格の値段はクラシックの敷居を高めてしまうだろうなぁ。と思いました。
ピアノの余韻と名残惜しさは未だに消えないけど、次の来日はベルリンフィルを率いてのサー・サイモン・ラトル最後の来日公演。それと一緒に来るらしい。
また、楽しみが出来た♪
演奏を聴きに行けるようにまた頑張って働こう♥
今年締めくくりのリサイタル。
ワールドピアニストシリーズ2016
4公演すべて聴くことができたこと。
忘れることがない名演奏ばかり。
なんてエキサイティングな2016年だったのでしょう♡
本当に幸せを感じたひとときでした。