鯖学☆(サバガク)61

 

 ブログ小説です☆

高校二年生の主人公、新宿ネロの学園ストーリーがメインとなるお話しです☆

 

※注意!「聖夜の鐘編」続編モノです☆本編を読む前に前回のお話しを読む事を推奨します

 

一話から読まれる方は、こちら

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主なキャラクター紹介は、こちら

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☆今回のブログ小説「鯖学☆」(サバガク)は、クリスマススペシャル・・・という形をとりまして・・・タイトルそのものを、一度変えてます☆

 

鯖学のメインヒロインの一角、渋谷実尋とその仲間達のストーリーを

12月18日から12月25日までのお話として、一気に配信していく形です☆

 

鯖学☆(サバガク)

シーズン3

☆聖夜の鐘 -angel song-☆

「流れ星のキヅナ」

 

 

【本編】

 

-ここは?病院かな?-

恋華は静かに目を開けた。

 

「みひろん・・・?・・・ネロ・・・?・・・そして、???」

 

「おい!恋華!なんで俺達の名前は出ないんだよ!」

「恋華ちゃーん・・・ひでぇーよーー」

上野と秋葉は、一斉に不満を言った。何故か、自分達の名前を呼んでもらえなかったからだ。

「あ・・・ゴメン、ちょっと名前が・・・直ぐに思い出せなかった・・・へへへ////」

恋華は、舌を出して誤魔化した。

 

「ここは?病院?・・・もしかして・・・アンタが連れてきてくれたの?」

恋華はネロの顔を見た。

 

「いや・・・俺じゃねぇよ・・・」

ネロは、指で頬をポリポリとかいた。

 

「えっ////ごめん・・・もしかして、みひろんが??」

てっきりネロがここまで連れてきてくれたモノかと勘違いしていた恋華は、焦って実尋の顔をみた。

 

「ううん☆ワタシでもないよ♪ウフフフ・・・」

実尋は、小さく笑った。(誰が連れてきてくれたか、知ったら驚くぞー♪)と少し含んだ笑いだった。

 

「・・・・もしかして・・・こっちの二人のどっちか??」

恋華は、微妙な顔で言った。

 

「だからー・・・なんで俺達が助けたって想像すると若干微妙なリアクションなんだよー・・・」

「恋華ちゃん、ひでぇ~よ~」

ふてぶてしく言う上野と秋葉、すると病院の廊下から物凄い駆け出す足音が聞こえてきた。

 

「恋華ァァァァァ!!!!気が付いたかァ!目を覚ましたかァ!生きているかァァァ!!お前の好きな食べ物、一通り買ってきたぞォォ!」

勢いよく病院のドアを開けて入ってきたのは、恋華の兄であり、ネロや実尋達の担任の目黒ギンであった。

 

「ほら!プリンに、イチゴ牛乳に、ミカンに、あんぱん!豚肉も沢山買ってきたからなぁ?これで、トンカツ作ってやるぞ!」

「/////////////」

ギンの大きな声は、病院の部屋に響き渡り同じ部屋にいる患者達が笑っていた。

 

恋華は、軽い風邪症状だったらしく・・・気を失っていた経緯は・・・

 

 

30分程前☆

 

 

ドンキーホーテで、プレゼント選びが終わった頃、恋華が立ち眩みをしたかの様に座り込んだのだ。

その後、実尋が直ぐに恋華の兄「目黒ギン」の元に電話をかけると、20秒以内にギンは駆け付けた。

 

ギンは、意外と心配症で慌て者だったらしく、直ぐに恋華を背中におんぶして病院まで駆け出した。

その駆け出す際の勢いが物凄く、背中に乗っている恋華には駆け出す振動が大きすぎ、失神してしまったのだ。

 

「恋華、病院ついたぞ?」

「恋華?・・・オイ・・・恋華?・・・恋華ァァァァァ!!!!」

前回の話・・・のラストの台詞

前回の話はこちら

 

 

 

☆☆

 

「お届け物でーす・・・」

「あっ、はい・・・ありがとうございます・・・えっと・・ハンコっと・・・」

ドンキーホーテで買い物を終え、恋華が立ち眩みを起こすというトラブルはあったのだが・・・無事に落ち着き・・・

その夜、ネロの家には届け物があった。

 

「なんだ?ドイツから・・・ってお袋か?おわっ・・・・なんだこれは!・・・・・ガラス出てきた・・・星?」

 

 

 

 

day21

 

クリスマスが近づくにつれ、体育館でのクリスマス会の準備は日に日に進んでいった。

毎年難攻不落となるのが、クリスマスツリーの飾りつけのツリーのてっぺんに飾る星の飾りつけ作業だった。

鯖学は、ガラス製の星飾りを取り付けるのが恒例だった。

しかし、中々うまく取り付けができない為、飾れた?と思った瞬間・・・落ちて割れてしまう。

落ちてしまう事を前提にしている為に、星の飾りつけは多めに買っている。

 

ガッシャーン

 

「ハッハッハ・・・今年も良く落ちるなぁ・・・」

「毎年星が流れる様に落ち続けているから、流れ星の伝統って言われているネ!」

大崎秀の隣に、3年生の元生徒会長の長谷川神楽と補佐の木村新八がやってきた。

 

「流れ星かぁ・・・これだけ、沢山みられるなら・・・願い事をいうチャンスもあるかもしれないな・・・よーし、次の星飾りが落ちる時は願い事を言おう・・・」

「アハハハ・・・大崎君、いや・・・新生徒会長さん・・・流れ星には、消えるまでに願い事を3回言わないと駄目なんですよ・・・落ちて壊れるの一瞬ですから・・・」

新八はさり気なくツッコミを入れた。

 

ガッシャーン

 

「ほらね・・・」

「うーむ、願い事を言う暇が無かったな・・・・」

秀は、あまりの一瞬の出来事に固まってしまった。

 

「もぉ・・・32個も割れたぞォ!」

「残りは後・・・1個だぞーー・・・」

 

「ハハハ・・・これは、今年は星飾り無しのクリスマスになりそうですな・・・」

秀は頭をかいた。

 

「アハハハ・・・去年は、渋谷さんが奇跡的に最後の一個を飾り付けてくれましたけどね・・・」

「はい・・・今年は、渋谷の奴・・・家の店の手伝いが忙しくなるとかで・・・」

新八も秀も旗色悪かった。

 

 

ガッシャーン

 

「終わったな・・・・」

最後の一個のガラス製の星飾りが落ちて壊れる音が体育館中に響き渡った。

 

 

「なぁ!大崎・・・あのさ・・・これを使ってくれないか?」

ネロは、秀の所へガラス製の星の飾りを持ってきた。

 

「おい!新宿・・・これは?・・・なんだか、例年みんなの集金で集めて買った飾りつけより、高そうだな・・・色艶も良いし・・・これは、どこで?」

「あ・・・いや、昨日お袋がさ・・・ドイツから送ってくれたんだ。みんなとクリスマスを祝う機会があったら使ってくれって・・・」

ネロは頭をかきながら星の飾りを差し出した。

 

「あっ・・・新宿、スマンな・・・それは、受け取れない・・・見ての通り、この星飾りを飾るイベントは・・・毎年恒例で流れ落ちる勢いで、星飾りは落ちて割れ続ける・・・ドイツにいるお袋さんから受け取った大切なモノなんだろ・・・それは、受け取れない・・・」

秀は丁寧に断った。

 

「・・・あぁ、そうだな・・・大切なモノ!という事になるな・・・でも、今年は俺にとって大切な年なんだ・・・」

 

「!!」

ネロの話した事に、イ・ヤムチャが振り向いた。

 

「昨年は、俺・・・学校終ると、すぐに帰宅してゲームぱっかりやっててな・・・中々友達も出来なくて・・・いや、自分から話そうとしなかった俺がワリィんだけど・・・今年は、なんか割とみんなと打ち解けた気がして・・・去年も参加しなかったクリスマス会の準備にも、こーやってみんなと参加してるし・・・今年は、去年よりみんなと上手くやれてるよ☆ってこの前・・・手紙書いたせいかな・・・お袋が、こんな星飾りなんか送って来てさ・・・・」

 

「新宿・・・オマエ・・・・」

 

「今年は、恋華も風邪で休みだし・・・渋谷も店の手伝いで居ねぇ・・・だから、その分・・・文化祭の準備を手伝っていなかった分も含めて・・・俺、みんなの役に立てたらなって・・・思ってるんだ・・・だから、大崎!生徒会長のオマエが堂々と星飾りに挑戦して、みんなの前で‘ガッシャーン‘ってぶっ壊してくれよ☆・・・なっ?」

 

「ちょっと待ったぁぁぁ!俺にやらせてくれ!ネロ・・・」

「イ・ヤムチャ・・・・」

「今年は、俺にとっても特別な年になった・・・一匹狼(ロンリーウルフ)だった俺に、友達が出来ちまった年だからな☆」

「実尋さん!大崎!いつも小言がうるさい恋華に、俺より女のコからモテてるいけ好かねぇプリンス・・・そして、お前と出逢った年だからな!」

「あぁ☆そうだな!頼んだぞ・・・イ・ヤムチャ」

ネロは、ドイツから母親が送ってきたガラス製の星飾りをイ・ヤムチャに託す事にした。

 

「あぁ!ここらで、お遊びはいい加減にしろって所を見せてやるぜ!」

イ・ヤムチャは、ネロから預かった星飾りを胸に抱く様にしっかりと持ち、脚立を登った。

 

-重い!・・・・まるで、ネロのお袋さんが、息子の安否を思うキモチが、このガラス製の星飾りの重さとして・・・全身に伝わってくるみてぇだぜ・・・絶対に失敗出来ねぇ・・・!‐

 

イ・ヤムチャはそっと、ツリーのてっぺんに飾り・・・・脚立を降りる時も、僅かな振動もツリーに与えないように細心の注意を払いながら降りた。

 

体育館にあつまった生徒達が、注目する緊張の瞬間であった。

 

イ・ヤムチャは脚立から降りた後、ツリーを振り向いた。

 

-落ちてない!!やった・・・俺は、やったんだ・・・‐

 

 

 

じわっ

 

 

イ・ヤムチャが地味に涙が流れそうな所を堪えていると、

 

 

イ・ヤムチャァァァァァ!!!

 

と体育館に居た生徒達が駆け寄ってきた。その中でも一番早く・・・イ・ヤムチャにがっつりと抱きよったのがネロだった。

 

「イ・ヤムチャァァァ!!」

 

「ネロォォォォォォ!!」

 

 

生徒達が、イ・ヤムチャを中心にしてがっつり抱きよる光景を見ながら

「良い生徒達アルな☆」

「本番楽しみにしてますよ!」

と神楽を新八は言い残し、新生徒会長である秀に後の事を託し、体育館を去っていった。

神楽と新八・・・3年生の生徒会のセンパイの背中に向かって秀は一礼した。

 

 

 

 

 

day22

 

今年のクリスマス会の準備出来上がったクリスマスツリーは、例年に増して輝いていると・・・学校中の噂になった。

 

「へー☆クリスマスツリーかー・・・思い出すなぁ・・・昨年、ワタシ飾りつけのガラス星・・・4個も落としちゃったなぁ・・・あの時は、学校辞めようかと思ったくらい落ち込んだなぁ~・・・まぁ、結果最後に飾れたからよかったけどさ・・・」

 

「うーん・・・当日も、レイジさんの手伝いしなきゃだし・・・今の内、昼休み・・・ツリー見に行こっかな・・・」

実尋は、昼休みになると一人体育館に向かった。

 

そこには、クリスマスツリーが堂々と立っていた。

共有鯖船学園のクリスマスツリーは、非常に大きかった。

 

「うわぁ☆・・・綺麗・・・・」

体育館の天窓から日の光が差し込み、ガラス製のてっぺんにある星飾りは・・・眩い乱反射をし、輝いていた。

昨年以上に、その光は柔らかい感じがした。

 

実尋は、その光に吸いこまれるようにクリスマスツリーの傍によった。

 

-みんなが頑張った・・・・そんな絆を一瞬で感じ取らせる・・・不思議な魅力を感じさせる・・・鯖学のツリー・・・-

 

-あっ!飾りが落ちてる・・・-

実尋は、クリスマスツリーの下の方の枝の辺りに、その飾りをそっとかけた。しかし、実尋が少し離れると急にクリスマスツリーが大きく揺れしなりだした。

 

「あっ!嘘・・・・」

ガラス製の星の飾りは、実尋の目の前で、床に落下した。

 

ガシャーン

 

「ちょっと・・・これ、ツリーに乗せるの凄く大変なのに・・・どーしよう・・・・」

実尋は、昨年の苦労を思い出すと顔面蒼白になった。

 

「あっ・・・うっそーマジで?」

「!?」

実尋が後ろを振り返ると・・・・体育館の出入り口に、上野と秋葉が居た。二人とも昼休みだからとクリスマスツリーを見に来たのだ。

 

「渋谷ぁ・・・・オマエまさか・・・」

秋葉は、渋谷が床に座って、必死でガラスの破片や、欠片を集めていた所を目にし、思わず口を押えた。

徐々に、体育館出入り口に生徒達が集まってきた。

 

「ね、ねぇ・・・ガラスの星の飾り・・・・在庫とか、あるんでしょ?・・・まだ、日にちはあるし・・・ワタシが、ツリーのてっぺんに飾るよ!去年も飾ったし・・・なんとか、てっぺんに飾って見せるよ!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

出入り口に集まったギャラリーの様に増えた生徒達は、黙ってしまい何も言わなかった。

 

「えっ・・・在庫切れ?だったら・・・ワタシ、代わりに買ってくるよ!去年と同じ店のガラス製の星飾りよね?もし、在庫が無くても取り寄せは効くから・・・まだ、間に合うよ!」

実尋は、責任を感じて必死に大きな声を出した。昨年買った店で良いなら、まだ間に合う!実尋はそう思ったのだ。

 

「実尋さん!!大丈夫か??」

駆け付けたイ・ヤムチャが実尋の元へ駆け寄った。

 

「指が少し怪我している・・・すぐに、保健室に!」

イ・ヤムチャが力なく座り込んでいる実尋の腕を引っ張った。

 

「・・・イ・ヤムチャさん・・・大丈夫!かすり傷だよ!・・・・ゴメン・・・そこの飾りが落ちてたのをツリーにつけたら、ツリー全体が揺れちゃって・・・てっぺんの飾りが落ちちゃったんだ・・・でも!去年星の飾りなら買いに行った事があるから・・・そこに行けば売ってるハズなんだ!今から、ワタシ買ってくるよ!!」

 

「っ・・・・・実尋さん・・・・・・それは、出来ないんだ・・・・・」

 

「っ・・・・そ、そんな事無いよ・・・去年だって、ワタシ飾りつけやったし・・・こーなったら、レイジさんから、お小遣い前借りで・・・在庫50個くらい買って来てぇぇ・・・徹夜してでも・・・つけて見せる・・・」

 

「違うんだ・・・実尋さん・・・・ソイツ(星飾り)の代わりは・・・・もう、無いんだ・・・・」

「えっ・・・・・」

 

「それは、ネロが・・・ドイツにいるお袋さんから・・・プレゼントしてもらったモノで・・・日本には、もう・・・無いんだ・・・・」

実尋は、はじめて号泣するイ・ヤムチャを見た。

 

「・・・・ドイツから・・・・新宿クンのお母さんが・・・」

 

ドン

 

イ・ヤムチャは拳を床を叩きつけた。

 

「くぅ・・・俺が悪いんだァァァ・・・・・」

イ・ヤムチャは、崩れる様に座り込んだ。

 

「何を言っている・・・・オマエのつけ方が悪かったなんて、誰も言っていない!・・・・鯖学の星飾りは、渋谷も知っての通り・・・つけては、落ち・・・つけては、落ち・・・の繰り返し・・・まるで流れ星のようなモノであるのが伝統だった・・・・それを知りながら、掛け替えの無い母親から貰った星飾りをここにつける事を許可してしまった・・・生徒会長のこの俺の責任だ・・・スマン!新宿!!!」

大崎は、イ・ヤムチャに駆け寄った。

 

「いや・・・違うんだ・・・・」

 

「昨日、星飾りがてっぺんにつける事が出来たのが・・・あんまりにも、嬉しくて・・・みんなが帰った後、俺は体育館にこっそり忍び込んで・・・スマホの写メでツリーを撮りまくったんだ・・・その時、体育館の鍵を閉め忘れて・・・俺、ポケットの中に入れ忘れていて・・・」

 

「クッソォォォォォォ!!!」

 

「ごめんよォォォォォ!!ネロォォォォ!!!ホントにゴメンよォォォォォ!!!」

 

 

☆☆☆

 

その放課後、実尋は急遽クリスマスの準備に参加して、壊れたガラス製の星飾りを治そうと試みた。

破片の中には、少し大きめのパーツや、原型からそれほど壊れていないパーツ等もある為、なんとか接着剤でつける事で修理出来るかもしれない・・・実尋は、そう思った。

 

なにより、壊してしまったのは自分であり・・・ネロが持ってきた大切なモノである事が解ってしまった為、なにもせずには居られなかったのだ。

 

実尋は、体育館の端の方で・・・一人座り込み真剣に星飾りの修復作業に没頭していた。

 

「渋谷センパイ・・・・・キリエも手伝いましょうか?」

「実尋・・・アタシもやるよ?ホラ・・・」

御徒町霧恵と神田那智が手伝いに行ったが・・・

 

「いいの・・・ワタシ、一人でやるから・・・壊したのワタシだし・・・元通りになるかは、解らないけど・・・最後まで・・・やらせて・・・」

実尋は、霧恵と那智の手伝いを拒んだ。

 

 

「新宿センパイ・・・・(しょぼーん)」

「あーあ・・・アタシ達が手伝うって、言ってもさっきから・・・一人でやるって、頑固になっちゃって・・・」

霧恵と那智は、ネロの方へ近寄り若干愚痴った。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「こーいう時って、・・・目黒(恋華)さんなら・・・手伝わせてくれるのかな?ほら、あの二人仲良しだったし・・・」

 

 

ネロは、黙って実尋の傍へ近づいた。

 

 

「あ・・・新宿クン・・・ゴメンね・・・ワタシ、これ・・・壊しちゃって・・・ドイツから、お母さんからの贈り物なんだよね・・・弁償は出来なけど・・・出来る限り修理させて・・・」

実尋は悲しそうな顔で謝った。ネロは、実尋の傍に座ると黙って星飾りの破片の中から大きめなモノを手に取り、破片の中で重なり合いそうなモノを探しながら、接着剤でつけ始めた。

 

「あっ・・・新宿クン!ワタシがやるから!!!」

実尋は、ネロを止めようとすると

 

「これは、お前の為にやってるんじゃねぇよ・・・みんなのクリスマス会の準備の為にやってるんだ・・・・」

「一人でやるより、二人でやった方が効率がいい・・・俺とお前と・・・クリスマス準備の共闘作業だ☆・・・なっ?」

ネロは、真剣な話し方だったが、最後には実尋に明るく笑いかけた。

 

「/////////うん・・・」

実尋は、‘ぶわっ‘っと涙を流した。

 

「新宿クン・・・・」

実尋が、涙ながらに名前を呼ぶと・・・ネロは優しく頷いた。実尋は涙のあまり・・・名前を呼んだ後、‘ありがとう‘‘ごめんね‘という言葉が口から出てこない。それでもネロは、(解ってるよ)と言わんばかりに「うん」と優しく頷いた。

 

「新宿クン・・・・・」

何度呼ばれてもネロは、優しく頷いた。ネロの黙々と作業する姿は、頼もしくもあり、安心感もあり・・・

 

実尋は、心の底から自分のキモチが解った・・・・

 

 

 

-やっぱり、ワタシは新宿クンの事が好きなんだ-

 

 

 

「チッ・・・カッコつけやがって、まぁ・・・今回だけは、譲るぜ☆」

さり気なく、実尋とネロの共闘作業の様子を見るイ・ヤムチャ。「譲るぜ☆」の所でさり気なく、立ってポーズをとっていた。

 

ネロは、案外手先が器用だったのか、星飾りの修復作業は手早く進んだ。

 

day23

 

「ほら・・・元通りになっただろ?・・・」

前日からの星飾り修復作業は、翌日の放課後に仕上げをする形で修復が完了した。

 

「さて・・・この星飾りのクリスマスツリーにつける作業だな・・・問題は・・・」

秀は、腕を組んで言った。せっかく修復しても再び飾る際の落としてしまっては意味が無い。

 

「よーし!俺が・・・脚立を抑えてやる!ネロは、右側から・・・実尋さんは、左側から・・・脚立に登って二人で飾りつけをやるんだ!」

イ・ヤムチャが予想外の提案をした。

 

「イ・ヤムチャ・・・・・」

基本的には、イ・ヤムチャはネロの関係は(渋谷実尋)を取り合うという関係だったのだが・・・予想外だった。

 

「そのツリーのてっぺんは、星飾りをつけようとすると、左右に揺れて不安点だ・・・一人で作業をしても非効率だ!実尋さんとお前(ネロ)で・・・二人でやるんだ!足元が揺れない様に脚立は俺がしっかり抑えててやるから安心してくれ!」

イ・ヤムチャの頭脳的な作戦に、周囲は歓喜が沸き起こった。

 

「イ・ヤムチャさん//////」

「今回のお前は、イケメンナンバーワンだ!」

 

実尋とネロは、脚立を登り・・・実尋がツリーの先端を抑えている間に、ネロが星飾りを取り付ける作業を行い・・・さらに、多少揺れても落ちない様に固定した。

 

 

 

おおおおおおおおお

 

 

ガラス製の星飾りは、体育館の天窓から日の光を吸収し・・・修正した無数のひび割れの跡から、光が細かく乱反射し・・・まるでダイヤモンド様な輝きを放った。

 

「壊れても・・・ちゃんと元に戻るんだ・・・」

ネロは、ツリーのてっぺんに輝く星を見ながら、呟くように言った。

 

「新宿クン・・・・」

実尋には、ネロが遠くの何かに向かって言っているような気がした。

 

「おっと・・・そうそう・・・写真撮って休んでる恋華にも送ってやらねえと・・・今度何言われるか解ったもんじゃねぇ・・・」

ネロは、慌ててスマートフォンを取りだした。

 

「あ・・・ワタシも撮ろうっと・・・」

 

ブーンブブン

「ん?LIENだ・・・あっ・・・代々木さん!?・・・えっ?」

 

実尋は、ネロの一言を聞いて‘ぞっ‘っと悪寒が走った。胸騒ぎが全身に走ったのだ。

 

 

 

 

 

聖夜の鐘は、まだまだ続きます☆

 

つづき

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2020年も「鯖学☆」(サバガク)をよろしくー♪

 

PSO2の撮影に協力してくださった方々、とっても感謝してます!

今後も末永くよろしくお願いします☆