2015年の読書記録
2冊目

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柚木麻子 著
『伊藤くん A to E』
幻冬舎,2013年
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以前『早稲女、女、男』を読んだことを書きましたが
(▶︎こちら)
ほぼ同じ時期に読んだのが、こちらの『伊藤くん A to E』。

一人の男性にまつわる
女性から視た5つのストーリーということで
川上弘美さんの『ニシノユキヒコの恋と冒険』
を思い出したのですが、
内容はまったく異なります。
話が進むにつれてどんどん明らかになる
「伊藤くん」のダメっぷり。

Aではちょっとステキな人と思わせられながら
中盤ではすっかり気色悪い人に。
最終話ではもうすっかりダメ人間。
このダメ人間な本性が露わになった伊藤くんを
冷たく観察する女性の視点が怖い。
彼女自身もダメ人間の側にいるという点では
似ている部分を持っているのかもしれないけれど
伊藤くんを自分よりダメな人間として位置付けている。

その他にも何人かの女性たちが出てくるけれど
劣等感であったり嫉妬であったりを抱えていたり
時には、あまり褒められない行動に出てしまったり。
女性のキレイでない部分を見せられてしまう小説です。
やっぱり柚木さんは、女性の美しくない心を表現するのがうまいなあと思うのです。

2015年の読書記録
1冊目

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柚木麻子 著
『早稲女、女、男』
祥伝社,2012年
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年明けすぐに読んだ本。
新年早々このタイトルを手にとるとは
よほど早稲田に思い入れのある人みたいだなあ
と思ったり。


ワセジョの主人公を中心に、
都内の大学に通うor通っていた女の子たち
それぞれにまつわる出来事を取り出した短編集。


この本のコンセプトなんだからいいんだけど
悩んだり葛藤したり心情分析をしたりする、
そういう彼女たちが最終的に
「ワセジョだから」「⚪︎⚪︎大だから」
という結論に落ちつくところ。
自分としてはいちいち引っかかってしまい
スムーズに読み進められなかったのだけど、
そんな決着のつけ方も彼女たちの習性と考えて
細かいことは気にせず読めばよかったか。

「私は⚪︎⚪︎だから」「あの人は△△だから」
というカテゴライズした決着のつけ方、
確かに昔はよくやっていたな。今でもか。


ちょっと気になってるのは
出版社に入社する予定の女の子が
単行本のカバーを無造作にはぎ取り
自分には必要ないといったことを言う場面。
編集者だったらいずれは装丁家さんとのやりとりなんかも
あるんじゃないかしら。
これからその職場で働く立場であれば
ちょっと危うい発言じゃないかしらと思った。
そういう微妙なことも言っちゃう性格、
ということかもしれないけれど。


基本的には尊敬し合い信頼する関係なんだけど
どこかで妬みや僻みが顔を出す・・・
この両者が共存する微妙な間柄は、
女性ならではのものでしょうか。
それとも性別問わないものなのか。
この本ではあっさりしてたけど
この作家さんの描くこってりした
女性同士の話をもっと読んでみたいです。

マクラーレン・ホンダのマシン(MP4-30)が 2日間限定で展示されていたということで、
青山一丁目のHonda ウェルカムプラザ青山に行ってきました。


昨年鈴鹿へは行ったけれど、F1マシンをこんなに近くで見るのは初めて。
想像よりも滑らかで流れるようなフォルム。
F1マシンってカッコイイんだなと単純に思った。
個人的にはサイドの膨らんだ部分から後方への曲線が好きでした。


ネットの先行画像で見ていたときには悪目立ちしていた印象だった
赤色の縁取り?も、全体の雰囲気に調和しつついい差し色になっていたと思う。
画像よりも少し朱色~オレンジがかった色なんですね。
あと、黒い部分はラメのようなものでキラキラしてた。


場内のスクリーンでは時おり、バトンとアロンソによる
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のパロディみたいな映像も流れてたりして
マクラーレン・ホンダというチームが楽しみになってきました。
(期待してしまったんだから実際のレースでも頼むよーーー。)


昨年11月の終わりに東宝ミュージカル『モーツァルト!』を観てきました。

モーツァルト:井上芳雄さん
コンスタンツェ:ソニンさん
男爵夫人:香寿たつきさん

今回は上記の組み合わせで観たくて
キャスト表を眺めながら都合のいい日を探すのにひと苦労。
希望がかなってよかった。

井上さんはヴォルフを演じるのが今回で最後ということで
気合が入っておりましたが、
俺が主役!という感じはなくて
いい感じにカンパニーの舞台になっている印象を受けました。
個人的には前回・・・2010年の鬼気迫る感じのインパクトがすごかったので
今回の演技はむしろ程よく力が抜けてるなと思った。
トークショーがインタビューでも
リラックスできているor自然体でいられるといったことを
おっしゃっていたかもしれません。

先日BSの番組で井上さんがウィーンでモーツァルトゆかりの場所を訪ねるという番組をやっていましたが、そこでも「いろいろな逸話が全てモーツァルト自身なんだ」という内容のことが言われていた気がするし。
十数年間演じ続けた末に井上さんが見つけた結論というか、落としどことろのようなものがそういう、そのままを全て受け入れる、というものだとしたら。
シンプルでありながら重みがあって深い結論だなあと思ったりした。


ソニンのコンスはこれまで観たり聴いたりした日本版のどのコンスとも違っていて、
このタイミングでこれだけ違う人を入れてきたかということにまず驚き。
気性の激しくて強いコンスでありながら
悪夢を見て叫び狂うヴォルフガングを前に怯える様には
どうしようもない戸惑いと恐れが表れていて
ああ、コンスは彼女なりに精一杯だったんだなあという感じがする、
すごく好きな演じ方でした。
「ダンスはやめられない」の最初で鳥肌が立ったのは初めて。


香寿さんの男爵夫人のソロは言うまでもなく圧巻で、
ここを聴くためにもう一回観たいとすら思えた。

DVD、このメンバーで収録されているのですよね。
欲しくなってしまうかもしれない。
三連休中に、月組公演を観てきた。


『PUCK』
90年代風ファンタジー。
電子機器とか各種アイテムに時代遅れ感があったけど
その今ひとつ時代に追いついていない雰囲気が
森のそばの大屋敷という舞台に合っていたし
この話のおとぎ話感の醸成にひと役買っていると考えることもできる。
21世紀じゃなくて20世紀の話と思って観るのが◎


ビリヤードの場面で客席に漂う緊張感がたまらない。



『CRYSTAL TAKARAZUKAーイメージの結晶ー』
テーマソングがファンタスティックエナジーを思い出させる。
(中村さん違い)
各場面にそれなりの長さがあり物語性を持った場面も多いため
気持ちとしては短編集を観ている感じ。


踊りまくる娘役トップが清々しい。



月組のトップさんは「キラキラ」という表現が似合う。
いつでもそんな雰囲気。
なんだかこちらも元気になれる気がした。


F1観て感動したり
宝塚で元気になったり
ひょっとして疲れてるのか?