先日『リアリズムの宿』という邦画を鑑賞して、


とても好きな映画だったので、紹介したいと思います。


この映画を観ようと思ったのは、去年の12月に刊行された雑誌『BRUTUS』邦画の特集を組んでいて、その中で映画監督の三宅唱さんが浜辺のロングショットが美しく、でも主人公の2人がとことんおかしい。大学時代から大好きで、DVD副音声についてレポートを書いたことも」

と紹介している文章を読んだのがきっかけです。


もともと原作者のつげ義春さんの漫画が好きで、

岩手県に住んでいた頃、近くに図書館があったので、そこに置いてあった『つげ義春全集』を全て読みました。


つげ義春さんの事を御存知ない方のために、少し説明 🔻


幻想性、叙情性の強い作品の他に、テーマを日常や夢に置き、リアリズムにこだわった作風が特徴、旅をテーマにした作品も多い。1970年前半には『ねじ式』『ゲンセン館主人』などのシュールな作風の作品が高い評価を得て熱狂的なファンを獲得した。


漫画界以外にも美術.文学界からも評価されている。



映画のあらすじ🔻


冬のある日、駆け出しの映画監督 木下と脚本家の坪井は、共通の友人である船木に誘われ、東京を離れて旅をすることに。ところが肝心の船木が寝坊で来ない。顔見知り程度の関係でしかない2人だったが、仕方なくそのまま2人だけでやって来たのは鳥取のとある温泉街。意味もなく日本海を眺めていた2人は目の前を流れていく女性の下着を目にする。不思議に思っていたところ、若い女性が裸同然の格好で走ってきた。海で泳いでいたところ、荷物を全部 波にさらわれ、着替えもお金もなくなってしまったという…





この、物語のなかで主人公の2人が出会う女性の役を演じているのが尾野真千子さんなんですけど、

つかみどころがなくて、自由奔放な雰囲気が役にピッタリでした。


物語は特に派手なことも起きずに淡々と進んでいくのですが、寒空の中 泳いでいた女性の素性は何も明かされなくって、最後の最後に少しだけ彼女について知ることができる仕掛があるんです。


顔見知り程度だった2人の距離が少しずつ縮まって、最後には東京に帰ったら一緒に映画を作ろう

と約束するところとか、


駆け出しの映画監督の木下が器の小さい男で、しかも童貞という設定なのも笑えるし、


物語の後半にでてくる、普通の家庭にしか見えない宿での出来事もクスッと笑えて…


少しだけ日常から離れた気分を味わえる(よい意味で)地味な邦画が好きな方に是非 観て欲しいです✨


るいこ🎞️