身体能力が向上、ポジティブ思考を手に入れた後は、実戦である。
試合中にボールの芯を捉える。
その感覚を研ぎ澄ませて
ひたすらに、チャンスを待つ。
走っても出てこないパスに、心の中で空を仰ぎ続けるが、仕方がない。
何よりも実績のない私に、
歴戦の選手たちは簡単にはパスを出してはくれないのだから。
どうすればパスが出てくるのか。思わず出させるには、いや
引き出すには…。
繰り返し繰り返し、動くタイミング、方向、スピードの緩急に変化をつけ続けた。
何試合かこなしているうちに、ある変化に気づいた仲間がいた。
「最近、競り合いで負けなくなったよな。こぼれ球よく拾うようになったし。」
「今日もよく効いてたわ。」
と、声がかかったのだ。
そうか。
負けない、拾う。
これが出来てきてる。
チームにフィットし始めてるのが、初めて実感出来た。