実はずっと前から企画して撮り続けていたのですが、念願叶って記事にすることになりました。
ということで、お尻を通してルネサンス以降の彫刻とそれ以前を少し比較してみたいと思います。
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「テルマ&ルイーズ」という映画をご存知でしょうか?
アメリカ南部の2人の女性の逃避行を描いた1990年代の映画です。
主人公の1人のテルマ(ジーナ・デイヴィス)が逃避行の最中にめっちゃイケメンを発見!
そのときのセリフに「なんてカッコイイお尻なの!」というものがあります。
ちなみにこのときのカッコイイお尻を披露して女性をメロメロにしたのが、当時新人だったブラッド・ピット。この映画(とお尻)で人気が出ました。
アメリカでは男性のお尻は魅力の対象となっています。
イタリア人にこの話をしたところ「イタリアでは男の人が女の人のお尻を見てるわ」とあっさり言われてしまいました(;´▽`A``
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ですが、古代ローマでは少し状況は違ったようです。
イタリア語で「いいお尻」(avere culo) というと「運がいい」という意味だそうです。
語源はいいお尻の少年は古代ローマでは稼ぎが良かったから。
どうして稼ぎが良かったのか、はご想像にお任せします。
興味のある方は、語源についての説明をご覧ください(イタリア語)。
フィレンツェには屋内外に数々の彫刻があります。

シニョーリア広場前のペルセウス像の後ろ姿。
どのお尻を見てもかなり出来栄えがよろしいのです。

バルジェッロ美術館にあるミケランジェロの「バッコス」
隣の少年が頬ずり(?)する気持ちがわかります。
そしてマリコ的お尻ナンバーワンはやっぱりこの人!

ドナテッロのダヴィデ。お尻のえくぼがたまりません(〃∇〃)
ドナテッロ先生はどうもメンズがお好きだったようで・・・

こちらのキューピッドも少年ながら美しいラインのお尻です。
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さてさて、美しいラインのお尻を鑑賞していただいたところで、こちらをご覧ください。

お尻がない!(@ ̄Д ̄@;)
こちら実は前述のドナテッロのダヴィデなんです。
作者も題材も同じにも関わらず、全く違う印象です。
もちろん、
・着衣 vs ヌード
・設置場所が違う(背中は壁側)
といった違いがあります。
しかし、一番大きなのはやはり時代の変化に伴うスタイルの違いです。
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ルネサンスは一般的に1401年からスタートしたということになっています。
ギベルティとブルネレスキが洗礼堂の北門のコンクールで競い合ったのが始まりです。
ルネサンス以前の中世では体の線はあまり強調せず、服のひだで覆われています。

顔の表情も固い・・・
前述のドナテッロの作品はこの伝統がまだ色濃く残っているので、お尻もフラットなんです。
ギベルティと競って同率1位だったブルネレスキですがその座を譲ります。
そしてドナテッロとローマに行った可能性が高いと言われています。
そこで古代ローマ建築や彫刻をたくさん学んだのではないかと推測されています。

そしてそれを後押ししたのがメディチ家です。ドナテッロの経済的なパトロンであっただけでなく、彼がローマ時代の彫刻を制作する後押しをしたのはこの人です。
上の写真は通称「メディチ家のヴィーナス」と呼ばれており、1世紀ごろの作品と推定されています。
そんな後押しもあってメディチ家のプライベートコレクションのために作られたのがブロンズのダヴィデ像でした。

古代ローマに倣って3Dで作られたのにはこのような背景があるのです。
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この流れを皮切りに彫刻はどんどん3D化していきます。

こちらはシニョーリア広場にあるジャン・ボローニャ作「サビニの女の略奪」
1500年代後半の作品です。
特徴は360度、どこから見てもいいように作られている点です。
これがさらに発展し、ベルニーニはじめとするバロック彫刻に繋がっていきました。
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お尻特集、楽しんでいただけましたでしょうか?
淑女のみなさま、彫刻を見るときはぜひ後ろにも回って鑑賞してください♡

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