フィレンツェの一番有名な美女といえばこちら


ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」です。
この作品を見に、毎日世界中からたくさんの観光客が押し寄せます。
私ももとはといえば、この作品に吸い寄せられるようにしてフィレンツェにきてしまいました




なんですが、この春ベルリンに行った時にそっくりの絵を見つけたんです。
それがこちら


これを見た時は思わず「えっ!」と叫んでしまいました。
比較すると、髪の毛のなびき具合が逆だとか、三つ編みしてるとか、体の傾き具合が「ヴィーナスの誕生」より緩やかだとか、細かい違いがわかります。
並べてあったらわかりますが、これ単体だと思わずコピー作品かと目を疑います。



受胎告知の記事でも紹介したウフィツィ美術館にあるシモーネ・マルティーニの作品。

ゴシックの特徴を表すように金色がとても荘厳できれいです

暗い教会の中でこの絵を見たら光り輝いて見えたんだろうなぁ・・・
こちらもベルリンからの作品。
これも一瞬「え?」となりました。

マリア様のポーズなんて、シモーネ・マルティーニの作品にそっくりです。
それもそのはず、これはシモーネ・マルティーニの義理の弟の作品だったんですね。



21歳の時に美術鑑賞にハマってから数万点の絵画を鑑賞してきたと思います

たくさん見れば見るほど「なにかと似てる」と思うものもたくさんあります。
日本でもそっくりさん、ありますよ。
「風神雷神図」は俵屋宗達が描いたものがこちら


そしてほぼ同じ構図で約100年後に尾形光琳が描いています。
オリジナルとされる宗達の絵も「北野天神縁起絵巻」という鎌倉時代の絵がベースになっていると言われています。



古今東西、絵を描くにはまず巨匠の作品を真似るところから。
そこからオリジナルが生まれるんですね。
同じ画家の作品の変遷
時代の中での変遷
師匠と弟子の作品の変遷・・・
これらを見ていくといろいろな秘密が紐解けてとっても楽しいです


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