こんなご時世で家にいる時間も長いし何か書きとめて置こうと考えた。
私は子供の頃嘘つきの変わり者で友達が少なかった。
だから本を沢山読見たその美しい世界や人々に没頭した。
今現在、新型コロナに毎日悩まされ怯えて暮らしているが、ウイルスに命を脅かされたとしても心の在り方まで左右されたくはない。
音楽や映画、読書は人間の人生を豊かにしてくれる力があると信じている。
小学校1年生で初めて夏休みの宿題に読書感想文というのが出た。私は作文を書くのが嫌いではないし本を読むのが好きなので何冊も夢中で読んだ。他の宿題はそっちのけだった。
その中に『大きな木の下で』という本があった。
当時私が選ぶ本は魔法や妖精が題材になっているものやホラーを選ぶ事が多かった。現実の世界から離れていれば離れている程楽しかった。
実はこの本の表紙は赤と紺色の独特なもので私は雰囲気でホラーだと思い込んでこれを選んだのである。
中を開くとそこには想像した事のない恐ろしい病気と
人間の愛情と非常時の冷酷さが描かれていた。
少しネタバレになるが
主人公の少年の母は天然痘にかかった赤ん坊を拾いその子を育てるのだ。祖母も叔母たちも猛反対するが
母は叫ぶ。「わからない!」どうして自分の子供を危険にさらしてまで他人の子供を助けようとするのかと詰め寄る家族達に理由などわからないと叫ぶのだ。
平和な日本で育って母の愛情たっぷりの食事を毎日食べていた私にはその理由が分かった気になっていた。
当たり前の事じゃあないかと思っていた。
病気でも赤ちゃんは赤ちゃん。死ぬ迄放っておくかジャングルで豹に食べさせてしまう(主人公祖母の提案)なんて選択肢はあり得ない。
お母さんが正しい。他の大人達は何故こんな酷い事を言うのかと理解出来なかった。
それから私はその本にしおりを挟んで天然痘について
当時同居していた祖父に聞きに行った。
パソコンもインターネットも無い時代、私の辞書代わりは元慶應ボーイ(そう呼んだ時代があったらしい)の祖父だった。実際に大正生まれの祖父は勿論、かなり詳しく知っていた。しかし、なぜ年端もゆかぬ孫娘がこの恐ろしい伝染病について知りたがるのか不思議に思ったであろう。祖父のオススメはピノキオやピーターパンだったのに。勿論、その2つは今も私のお気に入りだけれど。
兎に角当時かかってしまうと薬が無くて死んでしまうか自己治癒するしかない事と感染経路を学んだ。
飛沫感染と接触感染。小1の子に理解させた祖父は説明上手であった。
その後私はまたどこかのジャングルで暮らす主人公家族の世界へと戻った。祖父のおかげで天然痘という病気の恐ろしさと当時の人々の怯えた暮らしが理解でき、より一層この物語に引き込まれた。
これ以上この本の内容には触れないが私の子供がいたら是非勧めたいと思う作品。
大人になってから読むとまた違った感想文がかけそうなのでもう一度読みたい。
『大きな木の下で』クレイトン ベス
私は子供の頃嘘つきの変わり者で友達が少なかった。
だから本を沢山読見たその美しい世界や人々に没頭した。
今現在、新型コロナに毎日悩まされ怯えて暮らしているが、ウイルスに命を脅かされたとしても心の在り方まで左右されたくはない。
音楽や映画、読書は人間の人生を豊かにしてくれる力があると信じている。
小学校1年生で初めて夏休みの宿題に読書感想文というのが出た。私は作文を書くのが嫌いではないし本を読むのが好きなので何冊も夢中で読んだ。他の宿題はそっちのけだった。
その中に『大きな木の下で』という本があった。
当時私が選ぶ本は魔法や妖精が題材になっているものやホラーを選ぶ事が多かった。現実の世界から離れていれば離れている程楽しかった。
実はこの本の表紙は赤と紺色の独特なもので私は雰囲気でホラーだと思い込んでこれを選んだのである。
中を開くとそこには想像した事のない恐ろしい病気と
人間の愛情と非常時の冷酷さが描かれていた。
少しネタバレになるが
主人公の少年の母は天然痘にかかった赤ん坊を拾いその子を育てるのだ。祖母も叔母たちも猛反対するが
母は叫ぶ。「わからない!」どうして自分の子供を危険にさらしてまで他人の子供を助けようとするのかと詰め寄る家族達に理由などわからないと叫ぶのだ。
平和な日本で育って母の愛情たっぷりの食事を毎日食べていた私にはその理由が分かった気になっていた。
当たり前の事じゃあないかと思っていた。
病気でも赤ちゃんは赤ちゃん。死ぬ迄放っておくかジャングルで豹に食べさせてしまう(主人公祖母の提案)なんて選択肢はあり得ない。
お母さんが正しい。他の大人達は何故こんな酷い事を言うのかと理解出来なかった。
それから私はその本にしおりを挟んで天然痘について
当時同居していた祖父に聞きに行った。
パソコンもインターネットも無い時代、私の辞書代わりは元慶應ボーイ(そう呼んだ時代があったらしい)の祖父だった。実際に大正生まれの祖父は勿論、かなり詳しく知っていた。しかし、なぜ年端もゆかぬ孫娘がこの恐ろしい伝染病について知りたがるのか不思議に思ったであろう。祖父のオススメはピノキオやピーターパンだったのに。勿論、その2つは今も私のお気に入りだけれど。
兎に角当時かかってしまうと薬が無くて死んでしまうか自己治癒するしかない事と感染経路を学んだ。
飛沫感染と接触感染。小1の子に理解させた祖父は説明上手であった。
その後私はまたどこかのジャングルで暮らす主人公家族の世界へと戻った。祖父のおかげで天然痘という病気の恐ろしさと当時の人々の怯えた暮らしが理解でき、より一層この物語に引き込まれた。
これ以上この本の内容には触れないが私の子供がいたら是非勧めたいと思う作品。
大人になってから読むとまた違った感想文がかけそうなのでもう一度読みたい。
『大きな木の下で』クレイトン ベス