なぜ物理法則が働くのだろうか?
我々の世界の物理法則が、なぜ働くかは解明されていない。
すべての物理も数学も、そうなっているからそうなっている、でしかない。

スティーヴン・ホーキングは物理法則がなぜ動作するか次のような疑問を持っていた。
『仮にたったひとつの統一理論があったとしても、それはただの方程式の集まりでしかない。いったい何が、これらの方程式に火を吹き入れ、そしてそれによって記述されるような宇宙を作ったのか?』

私は世界の物理や数学がなぜ働くかの根底に、真理があると考えている。
私の考えは「無は無である」ことが数学であり物理法則であり、世界に実効力を持っているということである。

説明すると、「無は無である」ために、世界は「無」か「有」のどちらかの状態しか選べない。
世界が「有」であるならば、すべてが「有」でなければならない。
世界が「有」であればそこに「無」が僅かでも混入することは出来ない。
つまり、世界は「有」で完全に満たされた「有」の連続体であると言い換えられる。
こういった世界の完全充填性や連続性は数学や物理法則で表現することが出来る(と予想できる)。
例えば、連続性というと数学の微分が連想される。

「無は無である。世界が有であれば、世界は有で充填された有の連続体である。その連続性は数学で書き記すことができる」

つまり、我々の世界が「有」で満たされているという物理法則があるとして、それがなぜ効力を発揮しているかというと、真理によってそうなるしかないからだ。

くどい表現をすれば、「無は無である」ということは自明で拒絶することをできないため、「無は無である」ことが世界に引き起こす数学や物理現象は止めることが出来ない。
つまり、あらゆる物理法則や数学の背後にこういった自明の真理があるため、世界はこのように物理法則が自動的に発動していると予想する。

 

ここまでが存在の問いとそれに付随する問いに対する答えである。

次の記事でこれまでのまとめをします。