『帝国ホテル東京』で総料理長のフランス料理 | 食べすぎです飲みすぎです

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美味しかったお店、美味しくなかったお店の話を書いています。お酒とグルメバンザイ。

帝国ホテル東京 』の

田中健一郎の夕べ2009 ~フランス料理とセレナード~

に行ってきました。


毎年季節ごとに行われているイベントなのですが、

私は今回初めて参加。

楽しみだなーと思いつつも、

粗相があってはいけない!!と緊張が先にたちますあせる


ホテルはクリスマスツリーや大きなアレンジメントがそこかしこにあり

とっても素敵な雰囲気。

一緒に参加の皆さんも素晴らしくドレスアップキラキラ

私は着物を着ていきました着物



食前酒

会場に入る前に、控え室で待機。

食前酒として、ボジョレーヌーボーと

グレナデンシロップ(ざくろのシロップ)のソーダ割りをいただきました。

ボジョレーヌーボー、美味しいです。


時間まで待って、会場の桜の間に移動。

桜の間だけあって、天井には桜の花を形どったシャンデリアが。

でも、シャンデリアはつけず、ごくごく暗い照明で

テーブルごとに大きなキャンドルが点してありました。


会場にはハープ、フルート、アコーデオンの生演奏が響いていて

ゆったりした雰囲気をかもし出してくれます。


席は申し込みごとにテーブルが分かれており、

私たちは窓際の席。

4階なのに日本庭園があって、庭を見ながら食事。



ワイン

シャンパーニュ、白・赤ワインが1種類ずつ

すべて飲み放題(無くなったらつぎにきてくれる)です。


・シャンパン:DRAPPIER Carte Blanche Brut

(ドラピエ カルト ブランシュ ブリュ)

黄金色、しっかりした味わい、酸味は控えめ。


・白:Hautes Cotes de beaune Clos de la Chaise Dieu

(オート コート ド ボーヌ "クロ ド ラ シャスドゥー")

ソムリエの方の話では「樽が効いてる」ということでしたが、

最初はほとんど水みたいな味わい。

時間が経つと、若干樽感が出てきますが、とても控えめ。


・赤:Hermitage Mure de Larnage Chapoutier 2005 M.Chapoutier

(エルミタージュ "ミュール ド ラルナージュ")

これまでの食事会で初めて出たというビオワイン。

ブドウは多分シラー、美味しいけど万人受けしなそうな味。

帝国ホテルなのに大丈夫?!



お料理

・アミューズ ブーシュ 食前酒のお供に

小さな円形で、色々な具が何層も重ねられた前菜。

繊細だけど、あっさりしているわけではない。

美味しいか?と言われたら「ものすごく手の込んだ料理ですね」と

答えたくなる、技巧重視な感じの一品。



・富士川 秋鱒の瞬間スモーク セルヴェル ド カニュとキャビア

かわいらしいサラダを添えて

緑色のソースが、白い皿の上に、90度の四隅をきっちり

四角く形どられた上に

小さな小さな鱒と、キャビア、鱒(マス)カルポーネチーズ?ベースのソースが

品よく盛られた料理。

鱒は殆ど生、でもスモーク感が強い。

正直キャビアは存在感薄し。


・ロシア風ボルシチスープ

今年帝国ホテルは120周年。

アニバーサリーな年らしいです。

そんな記念の年にボルシチ!?

ちょっとびっくりしました。

最初の一口は

「ボルシチというよりコンソメ?薄いなー」という感じでしたが

食べ進むうちに滋味深い味だというのがわかってきます。


・フォアグラをしのばせたブルターニュ産オマール海老と帆立貝のムース

貴腐ぶどうのソースにて

ソースが出色で、クリームベースなのに酸味があって、すごく美味しい。

ババロアみたいな白いムースにナイフを入れると

フォアグラの脂がとろーっと出てきて

白いワインで流し込むと、至福。

でも本当に美味しいのはオマール海老。これはビックリしました。

皮をむいた温かい葡萄もソースとマッチしてとても美味しい。



・ステンドグラスのようなフルーツのシャーベットとドンペリニオンのグラニテ

ドンペリは1回、しかもたいした熟成じゃないやつ(10年ものくらい)しか

飲んだことがないのですが・・・

このドンペリシャーベットは激ウマでした。

マンゴーやベリー、洋ナシのシャーベットももちろん美味しいけど

ドンペリシャーベットが一番旨し。



・蝦夷鹿のポアレ 栗の実とトリュフ添え ブリヤ サヴァラン風

メイン料理。

かなりな硬さの鹿は、15日間もホテルの料理場の専用室で

熟成させたお肉だそう。

大きなトリュフがいい香りです。

確かに美味しいのだけど、同じ鹿料理ならラシェリールのほうが好み。

でもこれが、"オーセンティック(伝統の、正当のという意味)な料理"

なのだと思いました。


・りんごのガレットとブラウンシュガーのビスキュイ

フランス産最高級のショコラと共に

オレンジのケーキと、チョコレートのアイスクリームがメイン。

なかなか美味しいですが、ビックリするほどではない。


・カフェと小菓子

3種のプチフルールとコーヒーをいただきました。

チョコレートが美味しかったです。



今回は、「美味しい」と今自分が感じるものと

"オーセンティック"を考える機会になりました。

食事会参加者の平均年齢は60過ぎでは?!と思われるほど。

アラ35の私が、ここではかなりの若僧です。


革新的といわれる料理がある中で、

ベーシック・スタンダードを極めることの凄さを

わかることができるようになり

一泊4~5万円のホテルにも、気軽に泊まれるようになりたい。

そんな気分になりました。



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おすすめ度:★★★★☆

(ファストファッションとか、

そういう簡単で安く手に入るものではない伝統的なもの、

もっともっと大切にしたほうがいいと思う。)