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 ぬるま湯というものは

 入っていて気持ちのいいものではない。

 しかし出るとなお寒いから

 なかなか出られないものである。


                           下村 湖人(作家)

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どんな組織も「ぬるま湯」になると、必ずと言っていいほど、

悪いことを始めます。

そうすると、登場するのは、斬新な改革をしようとするニューリーダー。


しかし「ぬるま湯」を嫌ってはいても、「ぬるま湯」に慣れすぎた人々は、

斬新な改革についていけなかったりします。

自分は眺めるだけでいいとすれば、

競争や刺激などの変化が創り出されるのは、誰でも面白い。

その上、自分はぬるま湯に浸っているだけでいいとしたら、

気分のいいことこの上ない。


しかし、現実はそれを許さないから、不満がつのる。

改革賛成だったのに、猛烈な邪魔を入れ始めることすらありえる。

すると、変化のスピードが遅々としてきて、

今度は本当に変化を期待していた人々の中にも、待てない人が出てくる。


やっぱり、ぬるま湯が懐かしい気分にもなったりして、

今度はニューリーダーが排除される。


ぬるま湯には必ず仲間がいます。

だからこそ、楽しいけれど、抜け出せない空気にもなっている。


ぬるま湯って怖いですね。

それに慣れちゃうのは、もっと怖い。

悪いことをする気がなくても、ぬるま湯を守るために、

何でもやるようになっちゃうことすらあるのです。



 とある本からの引用でした。