先日夜の散歩中、道端で街灯に照らされている 蝉をみつけた


黒く光った立派な胴体に透明の羽 クマゼミだ



よろよろと歩いている もしくは這っているのか


たぶんもう最期なんだろう


これまでの自分なら つかまえて近くの樹木にとまらせただろう


そうしなかった



長い土の中の生活を終えて 羽をひろげていたほんの数日間


精一杯生きたんだろうな


悔いはないよな


最後の力を振り絞って 最期の場所は自分で決めな



最期にたどりつくまでに踏まれるかもしれないし


樹木までたどりつけないかもしれないが



ふと 何もしなかった