質の高い音楽が生まれる条件 | Ruby☆リュクスDays

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芸術の世界で生きる私。極上の芸術・美しい音楽・魅力的な人・リュクスな時間に触れて、日々審美眼に磨きをかけます。

ニューヨーク・フィル音楽監督、アラン・ギルバート氏と過ごした5日間は
密度の濃い、音楽だけに集中できるハッピーな時間でした。

彼の両親はNYフィルのVn奏者。
父上のマイケルは指揮者としても活躍し、母上の建部洋子さんは五嶋龍くんの師としても知らる。

きっとマイケルはNYフィルの音楽を子守唄とし、ジュリアードやハーバードで質の高い音楽だけに囲まれて成長したのだろう・・アランの音楽は、彼の育った恵まれたバックボーンから紡ぎ出される芳醇なものでした。

指揮者とオーケストラの相性は最初の数分である程度わかってしまう。
彼のタクトはオーケストラの未知の音を引き出してしまった。
言葉は無くともタクトで語れる…そんな指揮者、実は多くない。
演奏者は人間。コンタクトがうまくいくと、心も楽器も共鳴するのです。

もちろん、リハーサルは細かい指示や注文が飛びました。
例えばffはどうしてもセッコ(堅い音)になりがち。そこは美しく倍音を解放したffになるように…弓は…みるみる音が変わる…等々細かく3日間みっちり。

彼の中にはぶれることない音楽のイメージが存在している。
それもすごく自然体で。演奏者にも染み込むようにイメージが伝わっていく。

リハーサル最後にアランは『細かい事言ってごめんなさい。
でもコンサートでは体や音が固くならないようにエンジョイしてください。
そしてコンサートでは即興的に感じる音楽も大切に、私とアイコンタクトをしていきましょう』と。

これはお互いがリスペクトしていないと言えないこと。
質の高い音楽が生まれる条件はコレなんだなと改めて実感。

そして本番は、アランによって次の扉を開かれ、新しい音楽の世界を垣間見せられたような…時間でした。
(しかも彼は、この日ブラームス作曲交響曲1番は初めて指揮したそうで、びっくり目


サントリーホール二日間の公演は、満場の拍手喝采をいただき、
私たちの歴史に残る演奏会となりました。


アランに感謝!