3日程でロストの容体は落ち着きやっと安心出来るという感じだ。ひいおじいさんの遺体は他に移してもらった。
カルロット「ロスト、もう体は大丈夫だ。」
ロスト「カルロ…俺を殺してくれよ…ひいじいがいねぇってことは俺は母ちゃんのところにかえらねきゃいけねぇってことなんだ…俺、まだ母ちゃんのとこに帰って笑って過ごせる自信ねぇんだよっ…」
ロストは過去にモラスハラスメント(精神的虐待)が主に、虐待に近い昔ながらのしつけをされて育った。小学5年生で耐え兼ねひいおじいさんの家に転がり込んだロストはそのおかげか精神的に穏やかな日々を送っていたが、こうなってしまった今、母親のもとに帰ることしか生きる道はないと思っているらしい。
カルロット「ロスト、嫌なら俺ん家にくればいい。」
ロスト「………」
カルロット「大丈夫。家族全員で決めたことだし、ロストのお母さんを世間の目にさらすのもな。」
ロスト「…帰る。」
カルロット「ぇ?」
ロスト「帰ってみて、駄目だったら頼る!あんがとな!逃げ場があるだけで少し気楽だ!」
ロストは起き上がるとこっぱずかしそうに無邪気に笑う。
カルロット「そうか。無理はするなよ。」
ロスト「おう!明日葬式だから明日帰る!んでもって俺は寝る!」
ロストはねっころがった。
ロスト「があぁあぁあ!!ごぉおおぉお!!」
カルロット「はやっ!」
無理はしてるだろうけど、一瞬でもいつも通りの明るいロストに戻ってくれて本当に嬉しかった。
だけど、お袋さんもきっと大丈夫なはずだ。あれから2年たったんだ。
きっと大丈夫…
…3日後
ロスト「たのもぉおぉ!!」
カルロット「ロスト?何やってんだよ。」
大きなスポーツバックに荷物をいっぱいに詰め、左手にはひいおじいさんの遺骨を持ったロストがやってきた。
ロスト「カルロ!泊めてくれ!」
カルロット「ぁ、ああ。いいけど…」
ロスト「ぁー、母ちゃんと喧嘩した!一発殴られたからやり返しそうになっちまってさ!飛び出してきちまった!お袋さんとかいる?」
カルロット「ぁ、店の方。」
ロスト「んじゃ挨拶してくる!」
…カルロット家の本屋
ロスト「こんちは~!おやっさん!お袋さん!」
ハヤテ「おおっ、ロストじゃないか?」
ルリ「こんにちは。よかったわ。思ったより元気そうね。」
ロスト「あたぼーよ!俺が凹んでたらひいじいが心配すんだろ!!」
ハヤテ「はっはっはっ!そうだな!」
ロスト「でさ、2人に頼みがあんだけど…少しこの家にとめてくんねぇか?ひいじいも一緒に!」
ロストは気前悪そうに遺骨を前に出して言った。
ハヤテ「いいぞー!」
ルリ「いいんだけど、ロストくん、何があったの?教えてくれないかしら?」
ハヤテ「そうだなぁっ、ナミんところに戻るんじゃなかったのか?」
ロスト「ぁー、あれだよ!母ちゃんに追い出されたんだ!喧嘩したら『あんたなんかうちの子じゃないよ!』って決まり文句言われちまってよ~!」
ハヤテ「そうか、どうしてまた喧嘩なんかしたんだ?」
ロスト「ああ!それがよー!」
…数時間前
ロスト「お袋…」
ナミ「う…ぅっ…」
ロストは、仏壇の前で丸くなって泣いているナミに寄り添っていた。ナミにとってゲンは祖父だが、両親ではなく祖父母に育てられたナミにとってゲンはとても大きい存在だった。
ロストを産んでから精神が病みやすくなったナミがどうしようもなくなって助けを求めた相手もゲンだった。その為ショックが大きかったせいで、精神状態が安定していなかったナミは
ナミ「ロスト…あんたのせいだよ!」
ロストに八つ当りをした。
ロスト「なっ!なんでそうなんだよ!?」
ナミ「あんたがジイを病気にしたんだ!あんたがジイを苦しめた!あんたに金がかかるから、ジイは自分から死んだ!」
ロスト「わけわかんねぇよ!なんだよその苦しい理屈は!!?」
ナミ「ロスト、母ちゃんあんたがいるせいで人生めちゃめちゃだよ。」
ロスト「母ちゃんの被害妄想だろ!!俺は悪くねぇ!!」
ナミ「出ていきなっ!!あんたなんかうちの子じゃないよ!」
ロスト「つーわけ!お袋の頭ん中開けてみてみてぇぜ!なんであんな発想になるんだよ!」
ルリ「セイスケさんがいてくれればナミさんも落ち着くんでしょうけどねぇ」
ハヤテ「そんなこと言っても金銭的なこともあるんだ、そう簡単な問題でもないだろう。」
ルリ「ですよねぇ」
ロスト「俺から頼むよ!親父も日帰り出来る距離の巻き網とかやるとか考えてくれるかもしんねぇしよ!」
ルリ「無理しないでね。」
ロスト「おうよ!んじゃ俺カルロんとこ行くわ!」
ハヤテ「気がすむまで泊まっていけよ、坊主!」
ロスト「あんがと!おやっさん!お袋さん!よし!んじゃいくか!」
続く
