乳がんの診断を受けたのはトロント市内にある専門病院のBrest Centreだった。
担当のドクターは The University of Toronto の Associate Professor of General Surgery。私の心の中ではコロナウイルスの渦中に有名になったアメリカのAnthony Fauci (American physician and immunologist)に似ている白髪のダンディーなおじさんで、毎回会うのを楽しみにしているナイスドクターである。
乳がんの告知は彼が部屋に入ってきた時に歩きながら " You have a sign of Breat Cancer"と言われた。最初マスクをしている事もあり良く聞き取れず聞き返すと、やはり " You have"という答えだった。
その後、MRIが画像を見ながらどこにしこりがあるかを確認したところ、私のしこりはひとつでなく3.3 cmのしこりの他に2cmほどのしこりが他にある事が分かった。診断前にネットで乳がんの基本知識を勉強して(もちろん英語!)、その中で乳がんには大きく分けてステージ4ある事を改めて確認、自分がどのステージにいるのか聞いたところStage 2と伝えられた。まだ治療すれば90~95%と完治できると言われ、幸いにも早期発見だった。
私の乳がんタイプはエストロゲンレセプター陽性 (Estrogen Receptor Positive)。なんのこっちゃ。スペルも分からないのでドクターにノートに書いてもらった。以下参照。物理系は壊滅的に苦手のため理解する事を諦めた。とにかく簡単に言うと良くある乳がんタイプだそうだ。
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乳がん発覚の際にドクターに聞かれたのが家族の癌履歴だった。身内の恥を話してしますと、私の家族は日頃から会話がなく、カナダに来てから約5年、電話で話した事もない。そのため残念ながらコミュニケーション不足により全く情報がなく “I don’t know”としか答えられらなかった。
タバコを一度も吸った事ない人も肺がんになるし、家族に癌経歴者がいなくても病気になる。私の場合は、おろらく宝クジみたいな "Random Event"だよと説明を受けた。Bad Lotteryを引いてしまったねと談笑しながら、どんだけのクジ運だと思いながらも、50%の確率で自分が乳がんだと予想していたから大丈夫だと伝えた。" She is positive! "とナースに叫んでいるドクターがいた。" ちょっと待て、まだなんの準備もできてないわー!!とその後、ポロっと涙が出てきて現実を徐々に受け止めていった。
乳がんの中には、女性ホルモンの影響を受けて、分裂・増殖が促進される性質を持ったものがあります。
ホルモンレセプターのある乳がんを「ホルモン依存性の乳がん」といい、ホルモン療法の効果が期待できます。