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嵐好き・まるの ブログ

まるです。

Over50の葉担櫻葉erです。
徒然におはなしを書き、投げ込んであります。
基本は読み手。
色々なブログに顔を出しては、叫ばせていただいております。

どうぞよろしくお願いいたします^ ^


暑さ 寒さも彼岸まで と
よく口伝えで聞くが、


今般の この茹だるような暑さ。
いつまでつづくのかと 天を仰ぐ。



「なぁ、雅紀。
この 天候の異常は 俺が 火の精霊に新しくなったからか?」


新米精霊の俺が、
空天の精霊である 雅紀に 恐る恐る聞けば、
司る眷属を変えたとはいえ、
昔から精霊として この地を見守る雅紀が
かんら かんらと
大きな鈴を鳴らしたかのように 大口開けて笑う。



「違うよ。翔ちゃん、
安心して。


水の精 智も
風の精の ニノも 
海から吹く暑い風に 翻弄されてる。
無理やり 膨らんでいく雲や雨を御しきれないんだって。


俺も空を漂ってみても
どんなところも そうみたい。」


俺たち精霊といえども
その力は この地球の全てを司れるわけではなく
力が及ぼせる範囲も決まってる。


そんな雅紀が言うのだから
どうも これは俺のせいではないらしい。




「ほら みて。
潤も頑張ってくれてるよ。

あそこ 彼岸花が咲いてる。」



少し歩けば里山の外れ
田んぼも畦道に 彼岸花と言われる 曼珠沙華が
赤く 火花を散らすかのように一列に咲いている。

「ああ、確かに。
綺麗だ。」



昔 人だった 小さい頃には
正直あの 毒々しい赤さが苦手だった。

「毒があるぞ。」

「茎を手折ったら かぶれて
口にしたら 死ぬぞ。」

「手折って 家に持ってかえったら死人が出るぞ。」


家人や 周りのじっちゃんが
俺に言い聞かせたこともあるだろうし、

秋だというのに、
華やかに溢れるように咲き誇るこの花が
怖かったのだと
いまにしてみれば そう思う。


なんとなく
この 美しい赤は 地面に埋められた死体の血の色だと
なんかの話を刷り込まれて そう信じていたのかもしれない。




「潤が 頑張って 
この季節に間に合うように 励ましてくれたからだよ。

潤も頑張ってるんだ。」


にこにこと雅紀が話す。


雅紀の後をついで
地の精霊となった 潤も
俺と同じように 
この地を守ろうと必死に努力しているのもだろう。



「うん。
素敵だよな。

確かに こうしてみると
風は秋の風だ。


こうやって 季節の移り変わりを 感じられるって
俺たちが住む場所は素敵だよな。」




この地に住む前は
ビルに囲まれた 都会で
FXトレーダーとして PCを叩いていたから

風の微妙な温度の変化とか
空が美しく色が変わっていく様子
蜻蛉(とんぼ)が飛んだり、
虫が囀る(さえずる)声などと 見向きもしなかったし 感じなかった。


とすれば、
こうやって 雅紀と手を繋いで
少しずつ色を変える
季節の移り変わりを見守っていけるのも
幸せとしか言いようがない。



「翔ちゃん。」


「う?
何?


雅紀。」



手を繋いで 里山に向かう舗装されていない道を歩きながら
雅紀が俺に問いかける。



「ほら、
秋の日は釣瓶落とし(つるべおとし)。

もう 虫の声が し出したし
すぐに日が暮れるよ。


もう帰って 一緒に夕餉にしよ。」




「うん。そうだな。」



すでに精霊となった 俺たちには
食事をとって栄養など摂る必要などないが
風情を楽しむのも大事なこと。



雅紀の手をぎゅっと握りしめて
軽い足取りで 曼珠沙華たちに見送られるように
家への道へと戻っていった。













⭐︎ おしまい ⭐︎









まだ 昼間は暑いですが
夕方になると 秋を感じる今日この頃。




蜻蛉が飛び交ったり
家の周りに 曼珠沙華が咲き出したり
秋だな と
時が過ぎゆくのを感じています。







日本産の曼珠沙華が背丈も揃って
一斉に咲くのは
曼珠沙華が 種子で繁殖するのではなく
クローンなのだからそう。


それも 怖って思ったんですけど。
お話では
それは 触れませんでした。




今日も読んでくださりありがとうございます。







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