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おすすめ電子コミック

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東京都心、お台場のとなりに作られた人工島潮浦。


タワーマンションが建ち並び、大型ショッピングセンター、病院、学校など全ての施設が整えられた最先端の街だ。


その潮浦で正体不明の病気が発生する。


症状が同じの患者が立て続けに運び込まれ、潮浦総合病院に勤務する医師・鈴鳴涼子は当初からその症状が感染症であることを疑い、独断で国立疫病研究センターに報告書を送った。


その報告書を読んだ感染症研究者・羽貫琉伊は即座にハンタウィルスによる感染だと断定し、潮浦総合病院へと乗り込んできた。


そして鈴鳴と協力し感染源を特定、完全に封鎖された人工島の中で治療に奔走していくのだった。






私はこの漫画を読んで、本当に久しぶりに、死の手触りを思い出しました。


 死は、こういうふうにやってくる。


ある日突然、思いもかけないところから、思いもかけない形で。


そして自分の大切な人を奪っていく……あの、指先からこぼれ落ちそうな、それでいてひどく生々しい死の手触り。


それが、この漫画の中に描かれています。


 テーマはパンデミック、つまりある特定の感染症が爆発的に広がっていく状況を描いているわけですが、本当にあり得そうな状況で、あり得そうな展開です。


東京都内に非常事態宣言が発せられ、感染源となった人工島は完全封鎖されます。


そして感染源が特定できたとはいえ発症者は増える一方、しかも重症者が次々と島内の病院に搬送されてきます。


病院に収容できなくなった罹患者は、小学校の校庭に医療テントを張ってそこで治療を行うまでになり、まるで野戦病院の様相を呈してきます。


しかし致死率は異様なまでに高く、普通なら絶対といっていい程、ネズミからしかウイルス感染をしないはずのウィルスが突然に変異してヒト同士でも!?


感染が起きているかもしれないという可能性が浮上……


刻々と変わる状況の中で、鈴鳴は医師としての無力さを覚えずにはいられません。


あくまでも研究者として冷静な羽貫と対立しながらも、それでも彼女は「ベストを尽くす」と言い続け、実際にそうしていくのです。


 一方、人工島内に封じ込められた住民達は、恐怖し、苛立ち、やがて不思議な一体感を覚えるようになります。


そして、徐々に感染も沈静化を見せ始め、ワクチンの生成が見え始めてきたとき……やはり、死はそこに立っていたのです。


 死と、そして生き残った者の手触りが、この漫画の中には確かにあります。