3月11日午後2時46分。
東北沖で大地震が発生しました。
東京でも震度5強を記録し、
すべての鉄道が運行を取り止める非常事態に。
地震発生当時、私は本社27Fにいましたが、
強い横揺れを感じ、机にしがみつくのがやっとでした。
地震発生直後、
私は真っ先に携帯電話を手にとり、
妻に電話しました。
何度も発信しますが、
中々繋がりません。
これが、オカモトマナブ史上最も動転した瞬間です。
地震発生から15分後、
ようやく妻から連絡が入り、
妻と息子の無事が確認され胸を撫で下ろしました。
しかし、
その15分が1時間にも2時間にも感じられたことは
今も鮮明に覚えています。
地震後に発生した大津波が多くの街を飲み込み、
未だ行方不明者が数千人いると言われています。
また、福島の原発では放射線漏れが発生し、
周辺住民が避難するという事態に発展しています。
甚大な被害を被った東北地方だけでなく関東地方でも、
戦後初となる計画停電の実施やガソリン不足など、
我々の日常生活に今なお爪痕を残しています。
地震を天罰だと発言した都知事がいましたが、
私はあながち的外れな発言ではないと思います。
被災地の方、
避難生活を余儀なくされている方、
大切な家族を失った方の感情を考えると
配慮に欠けた発言であることは否めませんが、
今回の地震で、
これまで我々がどれだけ贅沢な暮らしをし、
それを当り前のように享受してきたかということを
考えさせられました。
例えば、
計画停電の影響で軒並み停止中のエスカレータ。
階段を利用すれば十分昇り下りが可能なことがほとんどです。
普段エスカレータが動いていることが当たり前の日常と
比較すると不便と感じるかも知れませんが、
それは傲慢以外の何物でもないと思います。
お年寄りや足の不自由な方にとっては
エスカレータは必要な文明の機器だと思いますが、
普段運動不足な中年のおじさんたちにとっては、
階段の昇り下りがよい運動になるのです。
また、
普段当たり前のように供給されていた電力。
被災地の方を思えば暖房を付けずに、
毛布に包まって寝ることも苦ではないでしょう。
国民全体で節電を意識した生活をすれば、
計画停電を実施しなくてよいレベルまで
消費電力を抑えることができるわけです。
今、IT業界ではいかに生産性を上げ、
無駄を省き、効率的に高品質な製品を産み出すか
がテーマとなっています。
我々の生活においても、今一度生活を見直し、
自分にとって大切なものは何か、
自分にとって本当に必要なものは何かを
考え直すきっかけを今回の地震は与えてくれたと思います。
最愛の妻と息子に愛情を表現しながら、
野球ができる喜びを噛み締めながら、
電気がつく幸せに感謝しながら、
お椀に盛られたご飯の一粒一粒を味わいながら、
そして、一日一日悔いのないように生きようと思います。
また、この1週間で考えさせられたこと、感じたことを
10年後も20年後も胸に刻んで生きていかなければならないと思います。
今回の震災で亡くなられた方々の無念さに報いるためにも。


