義両親の認知症介護のために同居して先月末で丸2年経った。
お義母さんは最近落ち着いていてブログに書くような出来事も無い。落ち着いていると言っても毎日毎日「家に帰る」と「ここ(キッチンの入り口)が開かない」は言っている。
一時は食欲が落ち痩せてしまったがかかりつけ医が薬の調節をしたら食べられるようになった。
ランダムな物(昨日はティッシュの箱と靴べら)を手に持ちウォルマートのやっすい部屋着の上に毛皮のコートを着て「家に帰る」と言って家の中をぐるぐる歩き回る義母を見ると何とか落ち着かせてあげたいとは思うがこれ以上(抗不安剤などの)薬が増えたら以前のように度々転ぶようになってしまうだろう。そして薬を減らしたらまたサイコーシス状態になってしまう。悲しい現実だが毎日夕暮れ症候群のこの状態が身体的に安全で精神的にも今の義母のベストコンディションなのかもしれない。
テレビのリモコンを持ってきて「マミー(義母の母、もちろん故人)に電話をかけたい」と言ったり、耳に当ててて「ハロー、ハロー」と言っているのを見ると認知症は大変な病気だと思わずにはいられない。ちなみに義母の「マミーに電話をかけたい」に対し夫は「8と7を押して呼び出し音が鳴らなかったらマミーは家にいないって事だからまた後でかければいいんだよ」と優しく言っている。
こちらに引っ越してきた時に1つの区切りと考えていた2年が過ぎたので私達はこの家を売る準備を始めた。夫は家中のペンキ塗り替えをしている(アメリカは現在壁紙でなくペンキが主流)。家具や絵画などのアンティークはオークション会社が引き取って売ってくれる事になり7割くらいの家財はすでに運び出された。ジュエリーやブランドバッグなどは質屋へ、残りの家具や食器(飾り用)はエステートセールで処分(販売)するのでエステートセール会社と契約した。
以前あれほどインテリアにこだわっていた義母だが家財がごっそりなくなっても気付かない。何か違う事は分かるのかもしれないが、「ここにあったあれがない」と気付き指摘する能力は失われてしまった。
家を売ったらここより少しだけ都会の市に3人で引っ越す予定。そして落ち着いたら義母を受け入れてくれる施設を探し始める。