石塚英彦や、その他、いろいろ考察 -3ページ目

石塚英彦や、その他、いろいろ考察

石塚英彦や、その他、いろいろ考察

――ヘーゲル自然哲学のこの正しい評価は、恐らくエンゲルスによって初めて与えられたと云って好い。マルクスが社会科学に於てなした処を、エンゲルスはその『反デューリング』乃至『自然弁証法』に於てなしたと云うことも出来る。ヘーゲルが見出した「社会」の概念が前者によって批判され展開されたように、後者に於てはヘーゲルの見出した弁証法的な「自然」の概念が改めて批判され展開された。無論エンゲルス(レーニンも亦)が用いた自然科学の諸材料が今日では或る意味で甚だ時代おくれのしたものだということは、何の困難をも齎さない。エンゲルスの自然弁証法には一定の重大な意義があるのだが、今はその代りとして、この系統にぞくする自然弁証法の最近の展開に注意して見ても好い*。
ドイツ版『マルクス主義の旗の下に』に載った Rudas や Maximow の諸論文を見よ。 自然哲学[#「自然哲学」に傍点]は自然弁証法[#「自然弁証法」に傍点]として性格づけられねばならない、そしてこのことは恰もヘーゲルその人から始まった(自然の弁証法が他の存在の弁証法と組織的な連関に立つということ、之は弁証法そのものの性質から云って云うまでもないことである。だが夫がどう連関するかは別の問題としよう)。