今日も定時に仕事が終わった。

 
いつものように近くのショッピングセンターに歩いて向かう。
 
買い物客で賑わう店の中を早足で通り抜け、エレベーターに乗り込んだ。
 
ボタンを押した5階には売り場がなく、月極め契約駐車場のフロアだから降りるのは私だけだった。
 
夕飯前の買い出しや食事に来ていた人で溢れていた1階の賑わいが嘘のように静かだ。
 
車はドアに社名看板の入ったワンボックスの向こう側に止めてある。
「おまたせ」
 
運転席に座りキーを捻ると当たり前の様にエンジンがかかった。
 
その瞬間ホッとする。
 
古い車は何があるかわからないから。
 
エンジンがかかるのは当たり前じゃないこともある。
 
アイドリングもそこそこにしてゆっくりと車を出口に向けて走らせる。
 
屋内じゃ色々と迷惑だから。
 
何より排気ガスは臭くて嫌だし。
 
あっという間に国道に出る。
 
たまに立ち寄るホグワーツの図書館をやり過ごす。
 
しばらく走ると真っ白なお城が見えてくる。
 
さらに走ると観覧車もある。
 
この道はまるでテーマパークみたいだ。
 
そしてこの先には、
 
随分前から着陸しているらしきUFOが!
 
これって何?
 
シュール過ぎて何度見ても笑ってしまう。
 
もうじきあの交差点だ。
 
いきなり大きな凧が目に飛び込んでくる。
 
そして。
 
来た!
 
対向車線にブルーグリーンのボンネットから上に飛び出たヘッドライトが見える。
 
RX-7だ。
 
こちらに気を止めることもなく、だだいつものように走り抜けていった。
 
それは仕方ない。
 
お互い知り合いでもなければ友達でもないし。
 
ただいつも同じ時間にすれ違うだけで。
 
向こうはそれすら意識していないかもしれない。
 
けれど何故だか気になる。
 
毎日沢山の車とすれ違うけれど、不思議とあの車だけは意識してしまう。
 
ブルーグリーンのボディーカラーが珍しいから?
 
エンジンの音が他の車とは違うから?
 
理由は自分でもわからない。
 
さて。
 
これからはただひたすらうちに向かって走るだけ。
 
お弁当の中にある好きなものを先に食べてしまったかのような、そんな気持ちのようだ。
 
ってじゃああのRX-7はハンバーグか!
 
そう思ったらとても可笑しくなってしまった。
 
今日は新しい発見があった。