久し振りに昨日の出来事を綴っておこうと思います。

私の担当患者様で 80代後半の方がおられます。脳梗塞を患い、前医で胃瘻が造設されました。

状態が落ち着いたので退院が見えてきたので在宅支援のマネージメントをしていた時に在宅担当医となるであろう医師から当院の地域医療マネージャーを通してある要請がありました。

胃瘻注入する注入食を医薬品に変更するようにと。そうすれば患者負担が1割に減るからと、、、。常套手段との事でした。

どういう事かと言うと、当院では注入食を食事代として頂いておりますが、それを医薬品に変えることで医療保険が負担するわけです。食事代を国民の医療保険で賄う。

胃瘻には最近賛否色々言われていますが、患者家族の負担も大きいので拒否される方も多くなって来ました。そんな中で胃瘻にして在宅で看ようというご家族は立派です。しかし高齢となり食事が食べれなくなってしまえば本来生物学的には寿命ということでしょう。その方たちの食費を国民が負担している。

問題はそれを伝えに来た当院のマネージャーでさえその意味が理解出来ていなく、ただ要請を伝えに来ただけであったこと。

我が国の借金は1000兆円をはるかに超え、その原因の主要な部分は高齢者の医療費にあります。我々が負担しているのではなく、既に負担しきれていないので、つまりは将来返済していく我々の子供、孫たちに借金を背負わせているとも言えます。

現場の我々がそういった事実も念頭に患者様に適切な医療を提供出来ればと思っています。