失敗して傷は残るのに理由を毎回忘れて辛い気持ちだけ思い返す。傷が多すぎて、嫌な記憶を残したくなくて消去しては同じ失敗をして再び傷が開く。
個性を消す薬も初日は思考がクリアになったが、一週間もすると元通りになった。次の受診で相談しなければいけない。食欲は副作用で家出したのに。
ネガティブシンキングの達人「吉野耕三郎」が現代に生きる全ての人々へ遺すマイナス思考の増やし方。
「この時代の下り坂」
無知の他人社より発売!
※吉野耕三郎【よしの こうざぶろう】5696年没
かつてこの世をマイナス思考で支配しようと目論んだ一般人。彼の活動により人口のおよそ7割がネガティブ界(現代の機械文明都市チェラネイラ)に移住したとされる。全ての幸運は不幸への近道と説き、全世界を滅ぼそうとしていた。
5235年に隣国の暗黒界(現代の幸福帝国ファラン)との不幸対決に敗れ一時期は生死不明となっていたが、5670年に突如として火葬魔術を用いて暗黒界を滅ぼす。
5696年にポジティブ王(小林太郎二世)に粛清されるまでマイナス思考を守り続けた。
現代に残された作品に「どうせ生きたって」や「消えた喜び」などがある。