僕がNYで最初に住んだ家の一階にはDELI (日本でいうコンビニみたいなもんかな)があって
ここね。

んで、その隣はピザ屋さんでした。これがまた美味しくて。ベジタブルピザが。

オリーブとかパプリカとかピーマンとかブロッコリーとかトマトとかオニオンとか…たくさん乗ってチーズかかってるやつね。あー食べたい。

その両方、メキシコ人が働いていて、なんだかお互い友達らしく仲よさげな雰囲気だったんですよね。

僕は渡米して最初の頃なんて、仕事も学校も何も無い空白の期間が1ヶ月くらいあったので

あちこち散策したり、サロン巡りしたり、紹介してもらった人に挨拶して回ったりしてて

夜は安い店探して飲みに行って…みたいな日々だったんですが

ある日、飲んでへべれけになって帰ってきた僕は、無性にピザが食べたくなって
(アメリカ人は、飲んだ後のラーメンみたいな感覚で飲んだ後にピザ食べたりします。)

家に行く前にふらっと隣のピザ屋に寄りました。

当時は全然英語喋れなかったのに、酔って気持ちよくなってる僕は、なんか喋れる気がするくらいハイになってて笑

オラ!!

(Hola-スペイン語のHello)

と言いながら店に入って

そしたら店員と、ウチの下のDELIで働いてるおにーちゃんが仲良く喋ってて

僕しかお客さんがいなかったので仲間に入れてもらいました!

いつもめちゃくちゃ手際良く、かつ完璧にピザ生地をこねて伸ばしてるピザ屋のおっちゃん。

いつもなんだけど、やけによく笑ってるこの人は、いつになく声がでかく、とびきりの笑顔で

店員「どこから来たんだ?」

って。

僕「ジャパン!」

と。英語でちょっとした「会話」ができるのがうれしくて。そんなたわいもない会話から始まって

店「日本か!めちゃくちゃ遠いな!こっち(NY)に家族がいるのか?」

僕「いや、みんな日本にいます」

店「え、1人で来たのか?仕事の都合か?」

僕「いや…今は働いてない。(これから働くサロン探すとか、VISA取るとか詳しい状況は英語で説明できず」

店「金のためか?」

僕「いや…(お金は稼がなきゃ暮らせないけど、金の為に来たわけではない。というのも説明できず)」

店「何で来たんだよ?」

僕「チャレンジ!!(精一杯の英語w)」

店「なんの為に!!!??」



(…え?え??ニューヨークって、世界からチャレンジャーが集まる街じゃないの???)

と、目が点になってたら、小学生でも分かるような簡単な英語で、ゆっくりと、彼の状況を教えてくれた。

30後半くらいに見える彼は、メキシコの田舎出身らしい。家族はとても貧乏で。今でも故郷でひっそりと暮らしてるみたい。

でも子供ができて。親も含め、

このままじゃ家族を食べさせてあげれない!


って事で、止むを得ず家族の元を離れ「出稼ぎ」に来てるらしい。

早くお金を貯めて、家族の元に帰りたいから


必死で毎日朝から夜遅くまで働きまくってると。

でも、彼らは「不法滞在者」

VISAも無いまま、真夜中に山の中の国境を越えて不法入国して…途中で倒れる人も出ながらも、前に進むしかなく。

なんとかニューヨークまでたどり着き…

毎日必死に働いて、家族を養うお金を稼いでるという。

しかも、VISAが無くても「働かせてもらえる場所」ってのは、決して良い条件では無いはずだから

稼ぐって言っても簡単じゃないのに。

それでも「命懸けで」この街に来てるんだ


彼は真っ直ぐと僕の目を見ながら

「お前はラッキーだな」


と…

井の中の蛙が「日本からは見えなかった世界」が見えて、頭を石で殴られたような衝撃がはしった。

僕は日本で生まれ、育ち

決して裕福な家庭ではなかったし、どっちかっていうと人の事を羨ましいと思う事も多くて

自分が「幸せ」だと思う事も「恵まれてる」と思う事も、本当に少なかったのかもしれない。

何が良いとか悪いとかじゃないし、幸せの定義なんて人それぞれだし

はっきり言って余裕なんてない生活をしてたけど

視点が変われば

少なくとも「チャレンジ」できるという事。


「自分で、自分の道を選べる」という事。

もっと言えば

「教育を受けれる事」

「安全な国で育った事」

「仕事を選べる事」

そして「食べれる事」…

僕は本当に恵まれていたんだ。って気付かされた。

「親の(食べれるかどうかという金銭的な)心配をしなくていい」という有り難さ

チャレンジできるという有り難さ

を噛み締めて、この街で、絶対何かを得る!心と誓った。

いかに恵まれてるかという事に気付いたら、失敗なんか何も怖くなくなった。


全力尽くしてもダメだったら、帰るとこあるんだから。

それで生きていけなくなる家族とかいないんだから。

「かっこ悪いから」失敗したくなかったけど


そんな心配してる方が「かっこ悪い」なって思った。


そんな「恵まれた国」日本は、今でも自殺率ナンバーワンの「不幸な国」でもある。

その一方で、地球の裏側では

豊かでは無くても、恵まれてなくても、命懸けで毎日働いてても、彼らは笑ってたんだ。

それ以来、ネガティヴになったり、なかなか一歩が踏み出せない時、

自分で自分に言い聞かせてる

「大丈夫。死なないから」


どんなにどん底でも

視点を変えればきっと「幸せ」だと思えるから。

「チャレンジできる」だけでも、最高の幸せなんだ。

via TOMOHIRO ARAKAWA
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