前にもちょっと触れました。

カット料金。

平均値は世界一ではないけど、世界一高いカット料金をチャージする美容師はNYにいます。

高い人は最高$1000くらい。(約10万円)

でも、これってずっと昔からこうだったわけじゃないんです。

たった15〜20年前。現在は5th AveのApple storeがある場所に、まだヴィダルサスーンがあった頃。

当時のカット料金は$40〜50もすれば割といいサロン。

$70なんて高級サロンでした。
(今の日本くらいっすね)

それからジワジワと、人気があるスタイリストが値段を上げて。$80とか$90チャージするスタイリストが現れました。

んで、90年台後半。ウチのオーナーのFredericは、突然カット料金を、倍に引き上げて$200にしました。


まだ誰もそんな高額チャージをした事がない頃。これがすごいニュースになって。

客足が遠のくどころか、むしろ予約が殺到して。文字通り「予約が取れないサロン」になったわけです。(料金をだけが理由じゃないよ)

それと同時にサロンで働くスタイリストの料金も引き上げて。

予約が埋まってパンパンになる
料金を上げる
高いくて払えない(払いたくない)お客様は離れる。(=予約に少し余裕ができる)
1人1人に費やせる時間が増える
お客様が増える
予約に埋まる
料金を上げる。

っていうシステムが出来てきました。

それに続いて、自分の名前がサロンのブランド名になる様な超人気スタイリスト達は、競う様に料金を引き上げて…

巨匠のカリスマ達は$300くらいチャージしてた頃。

Sally Hershbergerっていう、絶頂期のメグライアンの髪型「シャグカット」っていうスタイルを発明して、話題沸騰してまして。

彼女は自分のカット料金を$600に引き上げました。


「私のカットは2ヶ月持つわ。だから1日$10。素敵なバッグや洋服にお金をかける人達が、"素敵な髪型"でいる為に、1日$10払わないわけがないわ」

というのが彼女の値段設定の理由の様で。

これまた、彼女をはじめ、サロンは大人気になったわけです。

ところが彼女は当時はニューカマーの若手人気スタイリストでした。カリスマなのは間違いないんですけど、巨匠というには若すぎる頃。

これには業界の巨匠達も黙ってられません。だってヒョコっと出てきた人気スタイリストが自分の倍くらいのカット料金をチャージして、話題も注目も集めて、人気絶頂なんですから。

「だったら俺は$700」

「俺は$800」

といった感じで、どんどん競争が生まれたわけです。

そんな波も今は落ち着いて。

巨匠達は$500とか$700とか$1000とかで、そういうお店のスタイリストは$100以上、ディレクタークラスだと¥ような$300前後とか。そのくらいが相場になりました。

ま、ここまで急成長するには「時代」もあったと思うけど。

日本はどうなのか?


僕が表参道で働いてた時。

僕のお店では、23歳でデビューしたてほやほやのひよっこの僕と、その店舗の店長で予約が毎日一杯で経験も技術もある彼と。カット料金は一緒の¥7000でした。

当時は代表が¥9000でプロデューサーが¥8000。あとはディレクターも店長も副店長もルーキーも一律¥7000。
(今は知らんけど)

僕はこれ、ずっと不思議だったんですよね。
なんで俺と店長が一緒なの?って。

そして忙しいスタイリストは予約がパンパンで。

メニューとかに関係なく30分おきに予約を取ってて。そりゃあメニューが濃い(例えばカット+カラー+ストレート+トリートメントみたいな)お客さんがたくさん重なると、

どん詰まりになるという…

席が足りません。みたいなね笑

でも例えば、客単価1万円で月に500人お客さんが来て、月の売り上げが500万円だとしますよね。

それを、値段を倍にして客単価2万円にして、お客さんが半減しても売り上げは500万ですよね。

そうすると、1人に対してかけれる時間が増えるって事なんです。

その価値に料金を払ってくれる人と、そうでない人に分かれます。これは本人にとっても自分を知るいい機会になる。

んで、「それだと高いわ」っていう方には、誠意を持って別のスタイリストを紹介すればいいわけです。

そしたら、お店の売り上げは伸びる。忙しいスタイリストは1人にかけれる時間が伸びる。その下のスタイリストはお客さんをもらってチャンスが増える。

いい事だらけ。

ちなみにニューヨークでは、カラーの料金もバラバラです。カラーリストも同じなんですよね。

ちなみに余談ですが…
東京のめちゃ忙しいスタイリストだと、カット以外ではほとんどお客様に携わる時間が無い。カラー+トリートメント+ブローなんてお客さん、最初から最後までアシスタントがやって、最後にスタイリストがスタイリング剤つけて、終わり。みたいな事もよくあって…でも、これ「スタイリストの売り上げ」なんですよ。なんか不思議じゃないですか?
まぁ…ちょっと違う話になっちゃうから戻すけど。

お客様はによって、何に価値を感じるかは人それぞれ。

デザインだったり

技術だったり

信頼関係だったり

サービスとか相性だったり

自分の「価値」を高めるって、簡単な事じゃないから。それができる人が背中を見せるのも大事だったりするんじゃないかな。

東京だって同じ「一泊」するだけでも、1万円くらいで泊まれるホテルもあれば5万円するホテルもあって。そんなホテルの中でもスイートにしたら10万円以上して。プレジデンシャルスイートだと…ちょっといくらかわからんけどw

けど、この違いって…
ブランドバリュー、立地、デザイン、サービス。全部が影響してくるわけですよね。

じゃあ立地が違って内装も違って、技術も違ってサービスも違う。けど料金はほとんど変わらない。

って。逆に不思議じゃないですか?

でもこれは誰かが変えなきゃ変わらない。誰か1人が変えようとしても変わらない。

業界が動くほどの波が必要なんだけど。

どうせなら波に乗る方よりも、波を起こす側の方が面白いですよね。

そんな言うほど簡単じゃないって分かってますよ。でも…

僕の中では、「あの人が変えれば時代を変えれるんじゃないかな」っていう想像してる人は何人かいるんだよなぁ。

やってくれないかなぁ〜?

てか、長くなりすぎた…

最後まで読んでくれた人…ありがとうございます。お疲れ様でしたw

指が痛いのでこの辺で。

via TOMOHIRO ARAKAWA
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