経済成長を妨げるもの。
前回の続きです。
今回で一章を終えるので長くなると思いますが、悪しからず。
前回のエントリーで、「誰かの支出は誰かの収入」という話をしていました。この原則をバランスシート経済(理論)と言います。そして、このバランスシートの応用として、「誰かの資産は誰かの負債」というロジックもできます。このバランスシート理論を使えば、日本はどれだけすごいかがよくわかり、アルゼンチンやロシアのようになる!という論が浅はかかよくわかります。
日本には1000兆円借金があっても250兆資産があり、約250兆ほかの国に貸して上げています。大体500兆近く日本は余剰があるのです。(ちなみに外貨準備額というドルを8000億ほど持っていますが、ドルなので使おうとするとドルが暴落するので含めません。)それだけではなく、家計には1000兆の純資産。(←資産-負債)これら(家計+企業+政府の資産)-(家計+企業+政府の負債)をしても日本全体の純資産は250兆円あります。これにプラス他国に貸した対外純資産が250兆近くあり、日本の純資産は500兆強ほどあります。これは世界最高水準の資産額です。
それでもって政府の負債が1000兆円越えると破産する!というのが最近流行っていますが、これは家計の純資産の1000兆円を超えると破産すると言う話ですが、バランスシートの原則を無視しています。
今、政府単体の借金は890兆ですがこれが110兆円増えて1000兆になったところで、110兆円家計か企業の資産が増えるだけの話です。日本の借金の内訳は、ほとんどが日本国民です。外国の借金はたった8%です。
借金するとハイパーインフレーション(超物価高)になる!という話も聞きます。しかしこれは超無知者の戯言です。ハイパーインフレがなぜ起こるかもわかってない人間の戯言です。ハイパーインフレは通貨の過剰供給(お金の刷り過ぎ)と物資の供給能力の極端な低下によって起こります。
お金には価値がありますが、価値を生み出すことはできません。つまり、お金を刷る時点でお金の価値が下がり、物価が上がります。たしかに、インフレ状態でお金をすればさらにインフレを起こし、ハイパーインフレになります。しかし、現在日本はデフレです。インフレの逆の状態のです。ハイパーインフレを恐れるのは愚か以外の何者でもありません。ちなみにハイパーインフレの定義はインフレ率1万3000%になるのが定義だそうだ。
↓の図を見ればどれだけ愚かな議論かよくわかるかとwww
↑インフレ率1万3000%になった場合の図 ↑が現状インフレ率(デフレ率)
現在日本のインフレ率80%くらいです。明らかなデフレです。(デフレ率って書いたほうがいいのかな?)
ちなみに、100%という基準がGDPです。そして供給量が現在GDPの120%になっているという現状です。
実のところ、デフレ期とインフレ期で対策がまったく異なるのです。デフレ期にはお金を供給しなくてはいけないのです。「無駄ぁ!の削減!」「財政健全化」というのはお金を搾り取る行為であり、さらなるデフレを進めてします。逆にインフレ期に「公共投資増額」や「公債増刷」といった行為をするとさらにインフレになるのです。
いわゆるフェーズの問題なんです。インフレ期というフェーズには「無駄の削減」「財政健全化」をやるのは正しいですし、デフレ期に「公共投資増額」「公債増刷」という行為が正しいのです。ここ20年マスコミこれに関し、尽くミスリードをしていました。いちいち反論しなくてはいけない政治家や経済学者の苦労が浮ばれます。
日本の問題はミスリードによって起きたデフレによる低成長です。答えは簡単です。デフレを埋めればいいんです。GDPが成長しないことが問題なのですが、簡単に成長させればいいんです。お膳立てはそろっています。
20%のデフレギャップ、公債の所有者、家計の資産、日本の純資産などこれ以上無いお膳立てです。最後に公債を発行し、それと引き換えにデフレ率分GDPを伸ばせばいいのです。経済は成長し、GDPは回復し、デフレも解消。そして円高も是正、一石四鳥、五鳥はいけます。
これをやった人間はおそらく宰相として未来永劫、名を馳せるでしょう。20年も続いた苦しみを取り除いたのですから。
残念ながらこれを実行しようとする人間はいません。しかし、必ず夜は明け、日は昇ります。
日本の夜明けは近い。