【3.11】

この数字と日にちが持つ意味・それぞれの思い。

個人的にも、感じる思いや変化した価値観があり、事故が起こるまで無関心だった自分に自責の念もあり、一言で言い表せない。

原発事故については、東北に生まれ育って首都圏に住む者としては他人事ではなく当事者意識を失いたくないと思う。危機感がある。

実際、「不思議な生命体」体質の私の身体に反応は現れているから、その危機感はけっこうリアルだ。(主に皮膚に現れる。現れたものは画像を保存して時期をメモっている)

巷に流れる情報にも様々な意図や思惑が絡まって厭世的な気分に陥りそうになることもある。

個人的には、そんな状態が2年も続いているということ。

そういう状況・心境にあって、いつか話を聞いてみたいと思う方が何人かいた。

小出裕章氏は、その中の一人。
京都大学原子炉研究所助教。
一貫して原発の危険性を訴えてきた人。

会の冒頭、主催者の方が
【原発反対派も、推進派も、今日は話を聞いてしっかりその根拠を自分で説明できるようになりましょう】とおっしゃっていた。
そのとおりだと思う。
情報を選択して自分の意志と主張を持つべきだ。
【選択】が重要なのだ。選択するということは、比較するべき相対する情報を集めるということだ。

不都合な情報やそれを主張する人が次々と黙殺されている。そういう意味で私たちが【漠然と受け取っている情報】は、ある意味【精選されている】とも言える。(注:かなりイヤミのつもり)

精選された情報だけ受け取っていれば、東北・東日本は徐々に明るい未来へ向かって復興の道筋を辿っていることになっている。本当にそうなのだろうか?

こんなことを考える私のような人間は【放射脳】と呼ばれるらしい。

そう呼ばれてもかまわない。過去のスリーマイル・チェルノブイリの歴史を辿り・倣い・現状を見つめることから逃げず、いま何をするべきか?を考え続けたい。自分と大切な人は守りたい。
正直アタマが文系なので、数値や単位にはからきし弱いが、それでもジタバタと調べたり読んだりしながら少しでも納得する生き方を選択していきたい。まだまだ人に解説できるレベルにはないが。

そして、何が起きたのかを【忘れない】。



さて、小出先生の講演は…
入場者列をなす
photo:01


館内盛況
photo:02



講演慣れしている人の中には毎回レコーダーのように同じ内容を話し、講演会を【こなす】人も少なくないが、
小出先生は宇宙の距離を会場の厚木市民会館と本厚木駅の距離に例えて説明したりと、オーダーメイドを意識されていた。(この例えがわかりやすくて、原発の本題にはいる前の話は知的好奇心を誘う。もちろん、本題を語るために必要な前置きでもある)

◇地球のなりたち
◇エネルギーと人間の歴史
→人類史上【産業革命】が境目。享楽的生活へと加速していった
→宇宙からみた地球。夜でも煌びやかに光っているのがわかる。ここまで必要なのか?という話。

そして、放射線の与える影響について語り始める…
◇種の絶滅
◇DNA・遺伝子

…と続く話に、当たり前ながら学者さんだなーと思った。小学校高学年にも理解できるようなわかりやすい説明だった。

私のざっくりメモから拾ってみると…

◇1954年7月毎日新聞「すばらしきかな原子力」
◇原発・炉の構造
◇「原発事故は享楽主義の権化」
◇おろかな消費・モノに埋没する文化
◇今の福島第一の状況、どれだけの死の灰が環境に飛び出したか
◇人体の精密さ・精巧さ(=遺伝情報)をいとも簡単に断つ放射線
◇安易・安直な放射線エネルギー利用
◇核分裂生成物に対する巧妙なイメージ操作
◇なぜ4号機が危険なのか?
◇作業員の被曝

◇ICRP2007
◇BEIRⅦ報告2005
→どちらも一般向けに解説してあるサイトあるので、興味のある方は検索してみてね。

ところで、
小出先生は「こんな怖いモノを作ることを許した・無関心だった自分を猛省」と言い、それが原動力でもあるようだった。

私もレベルは違うけど、似たような思いがある。

物心つく頃にはテレビのローカルニュースのトップに【六ヶ所村】【原子力船むつ】【むつ小川原開発】という文言が並んでいたから、理由もわからず耳で覚えていた。でも、それを詳しく調べようとも思わなかったし、同じ県でも西と東、太平洋側と日本海側に分かれていて他人事だった。事故が起こって他人事じゃなくなったというレベルだ。
そして地方が原発に地域活性化の一縷の望みを託した経緯もわかる。第一次産業中心の地方と第一次産業を大切にしない構造だからこそ成し得たわけで。(それでいて今度は「攻めの農業」とから言ってるよね・怒)

そういう経過もすべて引っくるめて、考えるようになった。遅いかもしれないけど。遅いからと考えないなんて無責任は、これからはしたくない。

◇日本は「法治国家」か?
◇原子力は廃絶できるのか?
◇未来のエネルギーは?
◇生活スタイルは?

あっという間の二時間半。
初めて聴く小出先生の話は丁寧でわかりやすく熱を感じるものだった。

「わたしに大人を守る気はさらさらありません、原子力に責任の無い子供達を守らないといけません」

そうだそうだ(>人<;

◇放射能に関しては、安心、安全という言葉を使わない。リスクは減らすことはできてもゼロではない(「ゼロ」に近づける努力をする)

1986年に起きたチェルノブイリの石棺作業は現在も続いている。若者も従事している。彼らは自分たちが生まれる前の事故の処理をしている。

もちろん福島も同じ事になるのだろう。廃炉のメドも明確にたってない、しかしおそらく延々と続くであろう作業を某局の番組では「バトンをつなぐ」なんて美談仕上げにしとりましたが、美談で済むわけないだろう(・_・;

そういった作業を子供達に申し送りすることを当たり前にしちゃってるわけです。私たちは申し送りしちゃってるわけです。無関心なアナタも。

事故の処理
作業員の被曝
近隣住民の被曝
近隣住民の避難
これらを都合よく数値を操作しているだけではいけない。
数値を転がしてるだけならば、所詮原子力は小出先生が言うように大人のエゴ・享楽主義の権化ということになるのではないか。

「現場は今でも戦争状態」

そして二号機。
「あれだけ丈夫に作られている温度計すら壊れてしまう」

水を入れても入れてもすべて汚染水になり、タービン建屋側に流れていってしまう。

「一メートルある格納容器カブのコンクリートのうち、まだ30cmほど溶けずに残っているから
大丈夫」とは東電さん。

何が大丈夫なの(⌒-⌒; )?
誰か見てきたの(⌒-⌒; )?

そして今…
地震が起きて震源地や震度をみてドキドキしている。
ひたすら続くのだ。終わりは見えない。東日本に生きる限り続く。

そして…
西の原発を稼働させ、事故が起きれば日本全国がそうなるということ。

だから、みんなで考えなきゃいけない。と私は思うし、それが再確認できた。



いじめ問題でよく言われることと同じ気がする。
【加害者】と【被害者】のほかに【見て見ぬふりをしている人】【傍観者】の存在が問題だって。

地球いじめに加担してない?






















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