とろりんぐるとを使ったラスト。
木下闇と翠精は煮切って漉した液体のみ、
つまり日本酒とヨーグルトの乳清のMIXを使ったんですが、
これはその漉した後のヨーグルトの固体も入れました。

こんなの
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それも、前回の二つと今回の分を漉したものを全部投入。
要するに、日本酒と乳清と水切りヨーグルト。
作る前から、「濃~い石けんになるんだろうな」って思ってました(笑。

ただ、
水分全量置換えの上に、
水切りヨーグルトそのものもけっこうな量が入ってるし、
どういう石けんになるのか正直見当がつかなかったので、
無香料・無着色・デザインなし。
超・シンプル。
(だってねぇ。精油とヨーグルトで万が一、おかしな臭いになったらやだし。
 どんな色になるかわからないのにデザインって無謀だし。)

酪華
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カットに使うワイヤー、一部が捩れたようになって波打ってる部分があって、
この石けん、わざとその部分を使ってカットしてみました。
表面が波打ってるように見えるのはそのせい。

【OIL】
オリーブオイル / グレープシードオイル / 太白ごま油 / キャスターオイル / シアバター / パームカーネルオイル / パームオイル
【OP】
日本酒(とろりんぐると・煮切って漉した液体)
日本酒(とろりんぐると・煮切って漉した後の固体)
【EO】
無香料

質感フェチのワタクシ、
石けんのお肌の質感にそそられること多し。
やわ肌
つるりん肌
しっとり肌
いいですねぇ♪

でもこの石けんは、
やわらかめではあるけど、これまで作ったどの石けんとも違う質感です。
たぶん、酒粕とか入れた石けんと似てるのではないでしょうか。
香りは、なぜかヨーグルトでも日本酒でもなく
ミルクっぽい香りがそこはかとなく。
香りつけなくてよかった!
強めに香りをつけてマスキングしてしまうか、香りなしか、どちらかだなぁ。
微香だと、このミルクっぽい香りと混じって、
よくて香りが変わる、
悪くすればクサい石けんになってしまいそう。
私の好みは無香料かな。
ミルクっぽい香りがほんのりで、ヤな臭いではないし。

名前はね、
この水切りヨーグルト見て、
”湯の花”とか”塩の花”とか連想したんです。
湯の花(ゆのはな)ってのは、温泉の不溶性成分が析出・沈殿したもの。
塩の花はフルール・ド・セル、天日干しの塩田で表面にできる大きな結晶のみを集めたおいしい塩。
ゲランドなんかが有名です。
その「成分を凝縮した感じ」がたぶん頭の中でリンクしたんでしょうね。
だから、ヨーグルトの花。
酪は「酪(らく)、蘇(そ)、醍醐(だいご)」から。
6世紀ごろに日本に伝わった乳製品。
諸説あるみたいだけど酪がヨーグルトにあたるんじゃないかと言われてるようです。
ヨーグルト=酪、の花=華。
ほんとは、「乳華」にしたかった。
響きもやわらかくてまろやかな感じがあるから。
でも、同名のお酒があるんです。
「乳華」っていう、ほんとにミルクを酵母発酵させた白いお酒。
(けっこう美味しかったように記憶してる。)
これは、あきらめるしかない。
字面も響きも好きなんだけどなぁ、残念!



木下闇の双子の石けん
ウル抽オイルの違いと香り以外はほぼ同じ。
同じように、
とろりんぐるとを煮切って漉したものを水分全量に使っています。

$Handmade Soap~Rosmarin

【OIL】
緑 オリーブオイル(緑茶ウル抽)
白 オリーブオイル
緑・白 共通
ホホバオイル / キャスターオイル / パームカーネルオイル / パームオイル / シアバター
【OP】
とろりんぐると(ヨーグルトと日本酒の和リキュール)煮切って漉した液を水分全量に使用  
コンフェ石けん
【EO】
ローズマリー / パルマローザ / ローズウッド

緑茶のessenceを移したオイルと
ミルクのessenceを発酵させたヨーグルトと
米のessenceを発酵させた日本酒と。
essence=精,香料
緑の、精の混合。
で、翠の精。

同じ緑のウル抽オイルでも、ミントと緑茶では色がやっぱり違うなー。
で、不思議なんだけど、
こっちにだけ、上に流した白い生地が一部茶色に染まってしまいました。
木下闇とほぼ同じ時期に作って、
使った材料もほぼ同じ、保温・保存の状況も同じ(同じ保温箱の中で隣り合わせで置いてた)。
緑の生地から出た水分が染みたような感じです。
うーん、見た目は悪くなったなー。
でも、使用感は全然問題なしなのでまぁいいか。
匂いもまったくないし。
するのは精油の香りのみ。
パルマローザとローズウッドで葉のあまみ、みたいなのが出るかと思ったら、
ローズマリーの圧勝!
でも、ローズマリーをブレンドしたハーブティって感じなのは
やっぱり他の二つのおかげなのかな。
パルマローザとローズウッドって、ブレンドによっては紅茶っぽくなるので、
それがいいように作用してるかもしれません。

五月上旬から中ごろにかけて、
昔、実家ではお茶摘みをしていました。
自家用の、この後一年分のお茶を作ってた。
摘むのは今年出た新芽。
かまどを出してきて、摘んだ茶葉を蒸篭で蒸してから莚の上で揉む。
蒸した葉のいい香りがあたりに漂って、
あれも立派にアロマテラピーだったなー、と今にして思います。
揉んだ葉は別の莚(むしろ)に広げて日向で乾燥。
雨に降られないように気をつけて、降って来たら即、軒下へIN。
何日か干して、乾いたら今度はのブリキの乾燥容器の中へ。
幅50cm・高さ70cm、くらいだったかな。
片開きの扉が付いていて、開けると中に網を張った棚が何段かセットされていて、
一番下にいこった炭火を置いて扉を閉めて乾燥させるんです。
(いこった、って方言かな?火のついた炭が赤くなってる状態のときにこう言ってたような…。)
できたお茶をここから取り出すとき、
扉を開けると葉っぱのあまーいいい香り!
普段の葉の香りとも、蒸したのを揉んでるときとも全然違うんです。
この香りがすごく好きでした。
これを新聞紙に包んで一斗缶に入れて密閉すると、
味が落ちずにかなり長く保存できます。
今は私の母が少し作るだけになっちゃったけど、
出来たのをもらってうちでも飲んでます。

この間、実家に生えてる山椒の木の葉(いわゆる木の芽)を大量にもらいました。
木の芽はすぐ鮮度が落ちてしまうのでどうしようかなーと悩んだ挙句、
穂紫蘇のぱらぱら漬けを作る要領で、塩をまぶしてそのまま乾燥させてみました。
うまくいかなさそうだったら即冷凍!って思ってたけど、成功!
緑の色そのまま、パリパリに乾きました。

$Handmade Soap~Rosmarin

余分な塩を落として密閉保存します。
軽く手で揉むだけで、木の芽のふりかけになった♪
チャーハンの仕上げにもよかったです。
落とした塩は再利用。
山椒塩ってほどの香りはないので、そのまま他の料理に使えそうです。

不思議なことに、これが乾いていく間
あのお茶の乾燥棚を開けたときとそっくりのあまい葉の香りがしていました。
お茶葉と山椒じゃ香りは全然違うのに。

懐かしい初夏の香り。
思えば、
季節の移り変わりは
見える景色だけでなく、
こうした季節の仕事やそのときの香りでも感じていたんです。



ものすごーく変わった日本酒を見つけました。
これ

$Handmade Soap~Rosmarin

 ”とろりんグルト”っていう名前のお酒。
杜氏さん手作りという自家製ヨーグルトに自社製品の清酒をブレンドしたもの。
日本酒にヨーグルト?!
実は、私が大ファンの”冬の月”を作っている酒造メーカーさん。
さすが、およそ合いそうもない日本酒とヨーグルトを見事においしいリキュールに仕立て上げられてます。
ヨーグルトの酸味がほのかにあって、アルコール度数は7%。
あまくてクリーミィ、でもすごく濃厚な味わい。
かなり研究を重ねて作られたそうだけど、そりゃそうだろ。
ナニをどうしたら日本酒とヨーグルトがマッチするわけ?!

例によって例のごとく、
「石けんに使ってみたい」。
ソーパーという名の病い、治りそうにもありませぬ。

このお酒のなめらかな濃厚さには、
さらりとした感じのオイルををあわせて、細かくクリーミィな泡にしてみたい。
となると、気に入りの組み合わせ、アーモンド&ホホバあたりか。
そしてミントが欲しいところ。
ミント&ヨーグルトの料理のレシピはサラダやスウィーツでよく見かけます。
お互いのさわやかさを引き立てあう印象。

$Handmade Soap~Rosmarin

【OIL】
オリーブオイル(ミントウル抽オイル)/ オリーブオイル / ホホバオイル / スイートアーモンドオイル / シアバター / パームカーネルオイル / パームオイル(ミント温抽出)
【オプション】
とろりんぐると(ヨーグルトと日本酒の和リキュール)煮切って漉した液を水分全量に使用
コンフェ石けん
【EO】
ペパーミント / パチュリ / マートル
【その他】
苛性ソーダ / 精製水

この写真ではわかりにくいけど、トップの花のコンフェは淡いグリーン。
木下闇っていうのは、生い茂った木や草の下が暗い様子のことで、夏の季語です。
ミントとヨーグルトのさわやかさには似合わない名前のようだけど、
実は
ミントを使うと決めたときにはずせない香りがありました。
パチュリ。
ミントの爽快さにパチュリをあわせると、
なんというか、”ダーク”なニュアンスになる気がする。
ミントのさわやかな香りはそのままに、どこかしら小昏い感じを纏うような。
それが、
夏の陽射しを浴びて輝く緑と、
強い陽射しが作る濃い影に、
ぴったり重なる気がしました。
明るい白のトップ、真白なヨーグルト、さわやかなミント。
対して、ダークなパチュリ・翳ったグリーンの色。

光が強いほど、その影も濃い。

木下闇の連想から、香りはもうひとつ、マートル。
和名を”銀梅花”というこの花、派手ではないけどすごくできれいです。
白い花びらからたくさんの長い白い雄蕊が花火のように伸びていて、先端にクリームイエローの花粉。
清楚っていう言葉そのもの。
柑橘系の花に通じる清潔さ。
木下闇に咲く銀梅花は、その暗がりに白い明かりを灯してるようです。
マートルの精油の香りは、ユーカリみたいなスーっとした感じ。
でもどこか花の香りを含んでいるようで、
梅や沈丁花みたいな清冽な香りの花とユーカリが交じり合ったらこんな香りになるんじゃないかな。
ミント&パチュリ&マートル。
ミントの爽快な香りにあまみと深みが添えられて
かなり好きな香りになりました。



♪あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花♪

今日は桃の節句。
私の田舎では旧暦でやってたので、印象としては雛祭りと言えば四月、なんだけど。

雛祭りと言えば、
明るく華やかな女の子のお節句、
のはずなんだけど。
私の記憶やイメージはズレてるなぁ。

$Handmade Soap~Rosmarin

こんな光を含んだ曇り空とか
薄暗い床の間とか
薄暗い部屋に浮かぶ七段飾りのお雛様とか

花やお菓子の記憶もあんまりなくて
甘酒は飲んだこともある、かな…?

部屋の外は薄曇りだけど光の気配があって
部屋の中には静かな静かなお雛様

そのイメージのせいか、
作った雛祭りの石けんはこんなの。
春らしい淡く澄んだ色じゃない。
どこか影をかけたような色合い。

$Handmade Soap~Rosmarin

【OIL】
桃色→オリーブオイル(茜根INF)
白→オリーブオイル
緑→オリーブオイル(桃葉エタノール抽出)
(三色共通)
アボカドオイル / キャスターオイル / パームカーネルオイル / パームオイル / シアバター
【OP】
日本酒(煮切り)苛性ソーダ液の水分全量として使用
【EO】
ジュニパーベリー / シナモンリーフ / パチュリ / フランキンセンス / マンダリン / ラベンダーブルガリア
(緑の部分は無香)

菱餅にあわせて、緑・白・桃。
緑の部分には桃葉のウル抽オイル。
ほんとなら、よもぎが正解、なんだけど
昔は、
桃花酒って言って
桃の節句に酒に桃の花を浮かべて飲んだりしたそうで、
花のかわりに葉のエキス抽出オイルを。
桃色は茜根ウル抽オイル。
でも「白」がベージュになっちゃったよ。
日本酒を水分全量に置き換えたせいだろうな、やっぱり。
桃花酒からの流れで
三色ともオプションは日本酒、って決めてたし。
使った日本酒は
一ノ蔵という宮城の酒造メーカーの”ひめぜん”。
”華のように甘酸っぱいやさしいお酒”の謳い文句のとおり、
ほんとに春の花みたいなお酒。
去年の震災で被災されて、作ったお酒もずいぶんとだめになったらしいのですが、
再開されて頑張ってらっしゃるみたい。
やっぱり
春の石けんに使うのは
春のような、花のようなお酒がいいなぁ。

アボカドオイルを石けんに使うの、今ちょっとハマり中。
見た目も使用感も、ふんわり・やわらか、って感じで
春の空気感や光とリンクしてるみたいです。
(とか言って、味しめて年中使ってるかも♪)
香りは”和の花”の感じを出したくて、
以前使ったプレンドをちょっと変えてみました。

菱餅、っていうとなんか素っ気ないかなーと思って
春の季語の「雛の餅」をタイトル拝借(笑。
源氏物語の、紫の上の子どものころの「ひいな遊び」、
この「ひいな」って言葉、「ひな」より語感がやさしいなぁ、と
勝手に”ひいな餅”って言葉を脳内にて製造(あははっ、またやっちゃった)。
って思ったら、この言葉、実際にあるそうです。
どこかの風習で、
女の子の初節句にお餅を配ったり
娘さんがお嫁に行って初めてのお節句に実家にお餅を持っていったりするんだって。

ってことで(どういうコトなんだか?)
桃の節句にははちょこっと飲みました。
でも
ホント、”飲んだ”だけ
ちらし寿司もひなあられも貝の潮汁もなかったし。
気分だけひたるほうが気楽でいいや♪♪

20120218桜杯

桃花酒としゃれこむワケにはいきませんが(んな凝ったコト、ワタシはやんない)、
花びらひとひら沈めたお猪口で
春の花みたいな酒を
好きな本を読みながら楽しみました♪



$Handmade Soap~Rosmarin

雪だ!
雪だぁ!!
(豪雪地帯の方、ゴメンナサイ。)

先日作ったのは赤ワインの石けん。
こんな雪の降る寒い日にはうってつけの熱々のホットワイン、
そのレシピをそのまま応用しました。
赤ワインにスパイスを入れてあたため、
砂糖やはちみつで甘みをつけて
スライスオレンジを浮かべて
ふうふう吹きながら飲んであったまる。
(私は年中冷酒やビール愛用なので、こういうのはほぼ作らないけど。)

実は、
赤ワインの石けんって、
熟成中は死ぬほどクサいって聞いたんですね。
熟成が終わって使えるようのなるころにはその悪臭は消えてしまうらしいんですが。
ほんとにそれほど臭いのか、試してみたくなったのもアリです。
ホットワインのレシピ通りに
シナモンとクローブとカルダモンを赤ワインに漬け込んで
煮切ってアルコールを飛ばして水分全量で使用。
赤ワインの使用感を知りたかったので、はちみつなどは入れませんでした。
シナモンって、いろいろ効果あるみたい。
”肌老化の鍵は毛細血管で、減るとシミやしわなどができやすくなる。加齢によって簡単に消滅する”
シナモンに含まれる成分が
この毛細血管をたった2~3時間で修復してくれるそう。
内用・外用、どちらもOK。
刺激に弱い人は外用はやめといたほうがいいと思うけど。
ホットワインにして飲むのは
赤ワインのポリフェノールも採れるのでもっといいらしい。
クローブは抗菌作用にもすぐれています。
お手製の歯磨きペーストのレシピでも、
このシナモンとクローブのコンビがあるんですよ。

結論から言うと、ですね、
別にそんなに臭くはなかったな。
たんぱく質系のオプションを使ったときのアンモニア臭のほうがよーーーっぽどえげつないです。

$Handmade Soap~Rosmarin

【OIL】
オリーブオイル
キャスターオイル
パームカーネルオイル
パームオイル
シアバター
【OP】(オプション)
赤ワイン(シナモン・クローブ・カルダモン漬け込み)→苛性ソーダ液の水分全量で使用
コンフェ(RosMarinusⅡを細かく切って使用)
【EO】(天然精油)
シナモンリーフ
クローブ
カルダモン
オレンジスィート
【その他】
苛性ソーダ

市松もどきの模様になっています。
最初は、中のコンフェ入りとこげ茶っぽい生地の2層で作成したんですが、
どうも思った雰囲気には程遠く…。
ふと思いついて、
縦半分に切って互い違いにあわせておいてから、
同じ配合の生地を作成してその中に沈めてみました。

ちなみにこの石けん、生地はすべて同じオプションと同じオイル配合。
ジェル化による温度差のせいで、こんなにくっきり違ってます。
コンフェ入れた部分はやっぱり温度は上がらないのが一目瞭然です。
手間は食ったし苦労もしたけど、
どんな見た目だって、
作った本人にとっては「やっぱりカワイイ♪」ものなのね~。