相場材料と相場結果

ランキング銘柄とストップ高ストップ安銘柄

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持ち越していた9320買い　返済は9400でした

不透明要因が徐々に払しょく
　日経平均は後場一段高の高値引けで、9400円台を回復した。33業種すべて上昇する文字通りの全面高となり、安値更新が続いてきたTOPIXコア30も反発し、投資家心理は好転したといえよう。ただ、東証1部の売買代金は1兆強と市場エネルギーが乏しいのは気掛かり。日経平均が心理的な節目の9500円、25日移動平均（9508円）、6月限SQ値（9553円69銭）などに近づくと、戻り待ちの売りが膨らむ可能性がある。あすは商いを伴っての上昇を期待したいが、FOMCの結果待ちで様子見ムードが漂う公算が大きいだろう。

　国内では不透明要因が払しょくされつつある。5月の本決算発表時には、今期業績予想の開示を見送っていた企業が相当数に達したが、10日に今期見通しを発表したトヨタを皮切りに、ホンダ、マツダ、パナソニック、富士通、三菱電機、ＴＤＫなど主力企業が相次いで今期業績予想を発表。市場予想を下回るケースもあるが、見通しを示せたことは投資家に安心感を与えると思われる。マクロ面でも、景気ウオッチャー調査を筆頭に改善を示す指標が散見されているが、政府は6月の月例経済報告で景気の基調判断を前月（5月）の「このところ弱い動きとなっている」→「依然として厳しい状況にある中で、このところ上向きの動きがみられる」と、4カ月ぶりに上方修正した。日銀も金融政策決定会合で景気判断を上方修正しており、政府・日銀の足並みが揃ったことになり、ミクロ・マクロ面から好転しつつあるとみられる。日経平均は3カ月ぶりの安値圏で推移しているだけに、外部環境が好転に向かえば見直し買いが入る余地は十分にあろう。その意味でも重要なのは、今夜開催されるギリシャの改造内閣に対する議会の信任投票だろう。与党の全ギリシャ社会主義運動（PASOK）が議会の過半数を占めるため、信任されるとの見方が優勢とみられ、波乱なく通過すれば「緊縮財政法案の可決→ユーロ圏による融資実施→ギリシャ問題の鎮静化」というシナリオが現実味を帯びようが、仮に不信任となればギリシャのデフォルトリスクが限りなく高まるだけに注意したい。