え、このパターン、見たことあるぞ!?
唐突に、僕は気づく。
渡り廊下から見える魔法学園自慢の中庭では、ハッとするほどに可憐な少女が、僕の側近候補たちに囲まれて笑顔を振りまいている。
絵画のようなその光栄に見惚れるはずが、なぜか僕の全身には鳥肌が立っていた。
『王子よ、あの女に関わってはならぬ』
突然頭の中に響き渡る声は深刻な音階でさらに告げた。
『さもなくば、お前は愛するものを失い、廃嫡からの国外追放、そして半永久的に地獄の責苦を負う事になるぞ』
しかもめっちゃ脅してくる。
まじか。
よくわからないけど、頭の中の声曰く、どうやら僕は『死に戻り』というやつにはまり込んでいたらしい。
しかも破滅街道まっしぐらだ。
散々ループしてるらしいこの物語において、今、この瞬間、僕は僕がループしてると自覚するに至ったわけだ。
なるほど?
僕には第六感なる不可思議な能力まで付与された。
付与というか、むりやり押し付けられたというか押し込まれたというか。
頭の中の声にせき立てられつつ、僕はくるりと踵を返し、彼女たちから全力で距離をとる。
自覚したからにはやるしかない。
破滅断固拒否!
破滅へのカウントダウンが始まる前に、全速力で回避にうつるのだ。
果たして僕は無事平穏な日常を手に入れられるのか?
その結末は神のみぞ知る。
了