■ キネマ探偵[2]再演奇縁のアンコール

■作:斜線堂有紀


大荷物を抱え匿って欲しいと頼み込んできた同級生、ペンキでつけられた足跡とともに残された贈り物に苦しむ舞台女優、そして謎のDVDとその顛末ーー


映画好きの作者による映画を愛する探偵と映画に絡めた事件でつづられるシリーズ第二作。


中編3本による連作は、どれもがじわりと心に沁みていく切なさに満ちてます。

やわらかく、優しく、やるせなく、人の縁とはまさに『不可思議』で構成されているのではと思えるほど。

映画は『作品』であり、作品である以上は誰かが目にして触れて影響を受けたり、あるいはさらに別の誰かへ影響を及ぼしたりする存在だということを、3つの物語をなぞっていくことで鮮明に感じられるのが興味深いです。


誰かの心に大切にしまい込んである『想い』が可視化されていく読書体験。

大切な秘密、届かなかった願い、すれ違った祈りが幾許かの救いとともに、取り返しのつくかつかないかギリギリのラインで明かされていくような感覚。


物語そのものがもつ切なさにも似た余韻と手触りを楽しみつつ、完結編の3作目からさかのぼって読んでいるため、このラストがあそこに繋がるのか、という思いも同時に抱くわけで。


不穏なテイストも含めて、映画というフィルターを通して探偵のスタンスと価値観とこれからの出来事が垣間見える時間でした。