■名探偵と学ぶミステリ 推理小説アンソロジー&ガイド

■編著:杉江松恋


書評家杉江松恋編著による7人の名探偵のパスティーシュアンソロジーであり、ミステリガイド。


杉江氏による名探偵及び作家の紹介、ミステリとはそもそも何か、その魅力はどこにあるのか、どういう楽しみ方があるのか、と言ったコラムや解説が軽やかなガイド本。

まさに、ミステリ初心者のための「海外古典ミステリ」入門編!


代表作やおすすめ作、初登場回などの情報とともに、ガイド本にありがちなネタバレを華麗に回避しつつ興味を引く紹介方法がたまりません。

それなりに読んでる私的には、まだ手をつけてないシリーズと出会えたり、読んだけど記憶が曖昧なところの再読欲を刺激してくれたりと楽しいです。

ミステリの要素を綺麗に分解・分析されてるのも好印象。

そこで挙げられる作品たちへの配慮や、背景への言及もほどよい濃度で気を引いてきます。


しかも、ただのガイドではなく、これはミステリ作家による短編アンソロジーでもあります。


アンソロ寄稿作家は、楠谷佑、辻真先、斜線堂有紀、水生大海、青崎有吾、阿津川辰海、福田和代。

それぞれ、ホームズ、ルパン、ポアロ、マープル、クイーン、ウルフ、ボンドのパスティーシュ短編を担当してます。


これが各名探偵の特徴とカラーを実に面白く料理されていて!

解説だけでは伝わらない探偵たちの魅力というか、おいしいところがギュッと詰まってるわけです。

各作家が紹介する名探偵たちそれぞれの味を食べ比べ、好みのテイストが見つかったら、そこから本格的に翻訳版の原作へ。

扱う事件や台詞回し、探偵と助手の関係性も含めて、自分が惹かれる要素を探すための作品集となっているのが面白かったりします。


私自身も未読のシリーズに手を伸ばしてみたくなりました。

とくにネロ・ウルフは完全に未履修なので、実際の味はどんなものか今から楽しみで仕方ないです。


次の読書がより楽しみになるガイド本でした。