病院を訪れたときのこと。カラオケをやろうという話になって私も飛び入り参加。津軽海峡冬景色なんて歌って、患者さんたちに大笑いされました。中でもいちばん喜んでいたのは、母親に見捨てられる一方、ご主人に頼られている摂食障害とアルコール症と軽度の精神病を病んでいたかわいらしい女性でした。彼女はおしょうゆとシュガーカットを水で割って飲む子でもありました。彼女は私が音楽を面会室でイヤホンをして歌っているとおずおずと入ってきていっしょに片耳ずつイヤホンをして最初は小さな声で歌っていましたが、私が、聞こえないよーと言うと少しずつですが大声で歌うようになりました。そこでヒットしたのが大黒摩季の歌。OH-MENI-MITE-YO!! 歌詞のうち、特に下記の言葉にすごく反応して目を輝かせて歌ってました。

 
全部いっぺんに出来ない!
たった一言がいえない!
やりたいことが何も出来てない!
もうこれ以上自分を見失いたくない!
 
そうなんです。
これが彼女の心にたまっていることなのです。
それに気づいた私はなんども叫び踊りながら一緒に歌いました。
威圧的な親にも子供のようなたよりないご主人にも言いたくても言えなかったことを思い切りカラオケで歌うことで閉じ込めていた本当の自分を解き放ったのです。
そしたら、変化が現れました。
おしょうゆとシュガーカットって美味しくなくなってきた。なんでだろう?
さあ、どうしてでしょうね。
その後、彼女は摂食障害の自助グループで積極的に発言できるようにもなり、
はじめて、母親の面談を断りました。
退院後、彼女のご主人はますます子供のようになったけど、何とか夫婦カウンセリングで乗り切り、お子さんをもうけました。
軽度の精神病は残っているけれども、育児をがんばってるとのこと。
貴女にもそんな歌の効用があるといいですね。
私?私は嵐ひとすじですよ。