「眠いの?」
涙腺に水が溜まっているのを見つけて思わず聞いた。
眠いからではないとわかってはいたけれど、直接的に聞くのが躊躇われて
わざと検討違いの問いかけをした。
「そんなことはない」
静かに彼が答えた途端、水は膨れあがり頬を流れた。
4年間付き合ってきて彼が泣いているのを見るのはまだ2回しかない。
「どうしたの?泣くなんて珍しいじゃない」
夢に向かって走るさなか、自信をなくす出来事が起こった。
簡潔にまとめるとそういうことだ。
滅多に感情を表に出さない人が、涙で感情を排出している。
その涙をそっと舐めた。
「水っぽい…」
驚く彼を横目に頬笑みかけながら言った
「涙はね、怒ってて流しているときはしょっぱくて悲しくて流してる時は水っぽいんだよ」
笑いながら髪を、頭を、なでながらゆっくり話す。
「俺は馬鹿な男だよ…」