23年前の1月17日、阪神・淡路大震災が発生。
朝は親の声で起こされました。

「神戸が大変なことになってる!お前の彼氏は大丈夫か?」
当時、彼氏(夫ではありません)は神戸から少し西よりの地域に住んでいたのです。

前年の春に遊びに行った、あの美しい街が、黒煙と炎をあげて燃えていました。
テレビの画面の光景が、信じられませんでした。

その日は、ニュースの画面から流れてくる、亡くなられた方達の情報を、食い入るように見ていました。

幸い、彼は、無事でした。
住まいは神戸から離れていたので、「家具が倒れたり壊れたり、食器が全壊しただけで済んだ」そうです。
ただ、自分の無力さを激しく責めていました。
神戸の会社は甚大な被害を受け、亡くなられた方もいたのだそうです。
無事だった自分に出来ることはきっとあったはずだ、と。
何も、言えませんでした。


それから一年後の冬、神戸を訪ねました。
だいぶ整理されていましたが、深い傷はまだ、至る所に残っていて、痛々しい印象でした。
震災の被害を、彼が街を案内しながら説明してくれました。


それから暫く経ち、彼とは別々の人生を歩む事になるのですが、当事者の方々とは違う立場で、やはり、あの日の事は忘れられないのです。