全10話かと思っていたので、次回が最終回というのは予想外の展開だけど、今回が最終回前ということで、そこは予想通り、恋愛ドラマのお約束、波乱エピソード。
波瑠さん演じる穂香は、自分のせいで山本が異動になるのでは、と相手を思いやり、自責の念で落ち込むという、切なく、思い詰めるストーリー展開。
パートナーとは同じ部署にはいられないルールを知っての動揺、山本のFA挑戦を応援し、希望を見出そうとする健気な心情、面接の結果を聞かされ、山本の明るくつとめる様子に心を痛め、思い悩むメランコリックな眼差し。
微妙な気持ちの揺れ動きをリアリティーたっぷりに演じて、ビジュアル的にもアンニュイな雰囲気は最高の美しさ。
でもなあ、前回の感想にも書いたように、職場やプライベートでの立場としては確かに男女逆転ではあるんだけど、二人の関係や心情自体は男がリードして、女がそれをサポートする、つまり、ケアの部分はあくまで女性の役割になってる。
だから、穂香のキャラクター自体は、基本テンプレの「恋する女性」って単純な形。
山本が総務部に異動になって、家事・育児に注力するのは、二人の希望に沿わない「残念な」未来ってことになって、結局のところ、キャリア志向の有償労働の方がサポート的な業務や無償のケア労働よりも価値がある、という描写になってしまっている。
ま、そういう「社会派」的な提言には、もともと期待していないけど、形だけの男女逆転では、せっかく波瑠さんが主人公を演じる甲斐がない。
また、今回は、前回にも増して、コメディー・パートが赤嶺の独壇場になってて、いや、それはそれで面白いし、餃子パーティーでの穂香と赤嶺の絡みは良かったんだけど、全体として、恋愛パートとコメディー・パートが完全分離してる印象。
で、そのコメディー・パートも、ウェディングプラン対決とか、いやあ、それ、今まで以上に作為的で、上滑りしすぎ、さすがに苦笑状態。癖強いキャラも、赤嶺以外は、だんだん食傷気味になってきて、それって、たぶん、キャラ設定がフラットで、複雑さや立体感が足りないからなんだよな。
第6話(キャンプ回)までは、コメディーも結構楽しめていたんだけど。
さ、でも、泣いても笑っても(笑)、次回が最終回。
有終の美(?)に期待して、きっちりと見届けたい。