ー神様は、その人が乗り越えられる試練しか与えないー
この言葉をひたすら信じて、生きた。生きた。生きた。
そんなふうに、結婚生活の第1波乱を乗り越えた。
最初は、ギクシャクしながらもお互いを思いやりながらの作り物のような生活だった。
いつも頭の中で、考えない日はなかった。
彼の気持ち、
彼女の気持ち、
わたしの気持ち、
背負った十字架。
…
けれど、人間は時の流れとともに記憶も少しずつ流れ去っていく。
日常が戻り始めたころ、
新しい命が鼓動をはじめた。
これでよかったのだ。
本当の家族になりたい。
日付が変わり、クリスマスイブになったばかりの真夜中に、産声をあげた。
悲しい出来事が起こった時もクリスマスの季節だった。
このまま、この季節が嫌いになりそうだった…。
そして。
同じ季節に、神様からの贈り物をいただいた。
この子はわたしたちのの宝だ!
幸せな日々。
こどもの笑顔は、全ての憂鬱や猜疑心や後悔を拭い取ってくれた。