【ネロリ

学名:Citrus aurantium
科名:ミカン科
原産国:フランス、モロッコ、チュニジア
抽出方法:水蒸気蒸留法(一部溶剤抽出法も)
抽出部位:花
香調:ミドルノート
主要成分:リナロール、酢酸リナリル、ネロリドール、ゲレニオール、ネロール 等

《お話》
ネロリという名称はイタリアのネロラ公国の公妃 アンナ・マリアがネロリを好んで使ったことから
由来してると言われています。
このお話では、アンナ・マリアが絶世の美女で、いつも白い良い香り(ネロリ)の手袋をしていたとうことです。
この時代の女性達は、重たいカツラや豪華なドレスにキツイコルセットをしめて、美を競い合っていた
時代で、おそらく身体には負担の多いことだったのでしょう。 重い装飾品や不自由しか動けない
衣装によって、気分が悪くなることも多く、そのために、このネロリの精油の鎮静、緩和作用が
この上なく心地よく感じたのではないかとも言われています。
また、この時代に手袋や手紙等に香りをつけることがとても流行していたのですが、手袋は男性にも
女性にも重要な装飾品の1つでした。  ただ、当時の技術では、皮の臭い匂いを完全に消すことが
できず、香料が大量に使われたそうです。 
そういった理由で、たんなるおしゃれの為ではなく、手袋についている香りは必然的についたものだった
ようです。
話がずれますが、南仏のグラースという町は、香水の町として有名で、有名なパフューマーは
ほとんどがグラースでの経験を積んでいるといわれていますが、この町は、香料の町として有名に
なる前は、革製品の町でした。
そして、革製品の匂い消しのために、大量に香料を使ううちに、香料の生産も盛んになり、
16世紀にイタリアのメディチ家からフランス王アンリ2世に嫁いだ、カトリーヌ・ド・メティチによって
さらに、グラースが香料の町として発展していくことになったと言われています。
アロマテラピースクールや大学で卒論のテーマをさがしている方は、グラースや香りの歴史に
ついて調べてみるのも面白いかと思います。
有名な香水にはネロリ(オレンジフラワー)、ジャスミン、ローズ等の高級な精油がたくさん遣われて
いますし、旧約聖書にも香料の話はたくさん出てきます。 また、シェークスピアの作品には
ハーブと香りは欠かせない要素ですし、哲学者ニーチェも嗅覚については面白い見識を持って
いました。 

《心への働き》
不安、抑うつ感の軽減、ストレス、ショック、興奮状態を鎮める、催眠作用

《体への働き》
交感神経の鎮静、
不眠、神経痛、頭痛の軽減
心因性の性的機能障害
月経前緊張症や更年期障害とむすびついた情緒不安定
消化器系の不調(神経性消化不良、神経性下痢、等)
皮膚細胞成長促進特性(乾燥肌、敏感肌、老化肌、等)
《ちょっと踏み込んで》
敏感で繊細なために、不安におちいりやすい人が、感情的に追い詰められて不安定に
なったときに有効。 感受性が強いために、ストレスを受けやすく、感情的に消耗し気分が
沈んでしまったり、抑圧された怒りや罪悪感がたまり、絶望感へと変わったときに
身動きができなくなったりしたときに、意識と無意識の領域を融合させ、分離してしまった
精神と肉体に一体感を持たせるようになります。
 
『ネロリ』
やさしい
とにかく、やさしい
ほっとする 肩の力が抜ける
張り詰めていた気持ちが緩み ふっと涙が出そうになる
《イメージ》
やさしい本当にやさしい笑顔をたたえた、少女
少女なのに、菩薩のような聖母マリアのような、包容力のある微笑
無垢
そよ風の服暖かい昼間 静かに木陰に座って、大好きな詩集を読んでいる
ような気分
あるいは、大好きな人からの暖かい手紙を読んでいるような気分
あるいは、なんだか、淋しくて、心もとなくて不安なときに、どこからか天使達がやってきて
『大丈夫、 そこにいても良いよ』 『大丈夫、そのままで』 と、
耳元でささやいてくれるような気分
そんな風に私には感じます。
今日の気分にピッタリ。 
本当はクラリセージをやろうと思ったのですが、香りをかいでいたら、どうしても
ネロリが手放せなくなってしまって。
今の、私には、ネロリが必要だったみたい。
ちょっと、淋しかったから。
アロマテラピーは、成分や効能を覚えて、知識を蓄えることは絶対に必要なこと
だけど、一番大切なことは、
香りを感じること
ゆっくり香りに浸っていると、いろんなことが感じられるようになります。
今日の私は、本当に、ネロリの香りをかいで、涙がこぼれそうになりました。
もしも、家族がいなかったら、一人で思いっきり泣けたのに。
でも、この香りをかぐまでは、自分がそんなに悲しくて淋しい気分だということが
わかりませんでした。
自分の気持ちに、気づいてあげることができるって、素敵なことですよね。
ローマンカモミール】

学名:Anthemis nobilis
科名:キク科
原産国:イギリス
抽出方法:水蒸気蒸留法
抽出部位:花
香調:ミドルノート
主要成分:アンゲリカ酸エステル類、カマズレン

《お話》
カモミールの名前の由来は、ギリシャ語のkamai(地上の)と、melon(りんご)から
きており、学名のnobilisは“高貴な花”という意味です。

《心への働き》
不安、緊張、怒り、恐怖などの感情を和らげ、ストレスを緩和し、心を鎮静させてくれます。

《体への働き》
鎮痛作用、
消化器系の不調(胃弱、消化不良、腸内ガス、下痢、等)
月経に関する不調(月経前緊張症、更年期障害、月経痛、等)
抗炎症作用(にきび、皮膚炎、湿疹、敏感肌、アレルギー、等)

《ちょっと踏み込んで》
神経系のストレス緩和に有効ですが、特に太陽神経そうに蓄積されたストレスが得意。
感情的な欲求が成就されずにイライラし、さらに、頑張って自分を追い詰めてコントロール
不能な状況になったり、それによって、自己批判や他者をも批判したりするようなとき。
カモミールは、頑なな達成欲をを手放し、自分の限界を受け入れ、他人の助けを
受け入れられるようにしてくれます。

【ローマンカモミール】


甘い、

今日は、すきでも嫌いでもない

カワイイ甘さ、軽やか、和む、ほっとする、微笑んでしまう


《イメージ》

穏やかな日差しの午前中、広ーい緑の草原の中に、ぽつんと建つ白い家のドアから

かわいい3~4才ぐらいの男の子が、こちらを覗いている。 よく見ると、その子の

背中には、小さな白いフワフワの羽が生えている。

そのドングリのような目は、これから何かがはじまりそうな、ちょっと静かなウキウキ感を

感じされる輝き。


でも、その香りが、和らいで薄くなるとともに、ウキウキ感は薄れ、のどかな暖かい日差しの

中で、うつらうつら居眠りをしているような心地よさに変わってくる。



これが、私のローマンカモミールの香りのイメージ


香りのイメージは日によって変わる。

体調や精神状態に大きく左右されるから。


でも、基本のイメージを作っておくことは大切。

もしも、私が、仕事でキリキリに忙しくて、泣きそうになっている時でも、

この香りをかぐと、不思議とこのイメージの世界につれていってくれる。


あるいは、そこまでキッパリ切り替わらなくても、そのイメージの中に

いる時に近い生体反応まで、持っていってくれるかもしれない。


そして、香りからイメージを膨らませることの大切さ。

感性を磨くということが、いまの生活にきっと潤いを与えてくれることでしょう。


ひとつ、

エッセンシャルオイルのビンを手にとって

静かに目を閉じて

そっと蓋を開け

しばし

香りの世界を漂ってみる


きっと、何か、あたらしい感覚が生まれてくる


そして、その生まれた感覚は、あなただけのもの

大切に、ノートに書きとめておいてね




アロマテラピーって、簡単だけど・・・・
でも、実は、ものすっごく奥が深くて、不思議で、おもしろいものなんです。
そんな、普通と違った楽しみ方を、してみようかと思います。
いまは、アロマテラピーという言葉を、一度も聞いたことがないという人は、
かなり少なくはなってきているでしょう。
でも、私がアロマテラピーに出会った頃、そう、かれこれ10年以上前には、
まだ日本に入ってきたばかりで、エッセンシャルオイルを購入するのも大変な時代でした。
あれから、何年経ったのかしら~??
アロマテラピーには、ずいぶんお世話になっているんです。
そこで、ここでは、ちょっと踏み込んだ、お話、楽しみ方をお話していきたいと思っています。