クラスター…。クラスター…。
あの方がかつて私に下さった色とりどりの美しい石がたくさん敷き詰められていたあの箱は、もう、私の手元にはないのです…。
六角形の水晶が幾つかくっついたようになっていた小さなクラスターと呼ばれる結晶がありました。
それはそれは美しい結晶でした。
私の不注意で床に落としてしまった…。
小さな美しいクラスターは簡単に割れてしまった…。
真っ二つに割れてしまった…。
二つに割れたクラスターをくっつけようと手で合わせてみたのです…。
簡単に二つだけに割れたのではなく、小さな破片がどこかに行ってしまった…。
小さな水晶の破片…。
傷ついた…。
傷ついた…。
心…。
真っ二つに割れたように見えたので、手で合わせてみたならば、元の形に戻るだろうと思っていたのに…。
小さな破片はもう見つからない…。
でも、でも、きっと、どこかにあるのね…。
砕け散った破片は、どこへ行ってしまったのかしら…。
傷が、傷が、癒されていくの…。
水晶の涙が、流れ落ちた…。