24日に石川県金沢市で開かれる全日本合唱コンクール中部支部大会に、高岡西高校が39年連続で富山県代表として出場する。高岡女子高校時代からの伝統に磨きをかけ、新たな境地に挑んでいる。
「ホー、ホー」
音楽室からオオカミの遠ぼえのような声が聞こえてきた。25人とは思えない大きな声だ。のぞいてみると、それぞれ顔を手でさすりながら、発声練習に励んでいた。
同校を合唱強豪校に築き上げたのは、高岡女子時代に25年にわたって顧問を務めた長谷部律子さんの功績が大きいという。現顧問の白銀(しろがね)裕子教諭も、かつて長谷部さん率いる合唱部の部員だった。
男女共学となり、校名が高岡西に変わった1997年に顧問をバトンタッチ。「長谷部先生の思い入れの強さをよく知っている分、引き継ぐのはプレッシャーが大きかった」と話す。
そんな重圧をはねのけるように、あちこちの勉強会で学んだ練習法を採り入れ始めた。発声練習もその一つ。顔の筋肉を手でほぐし、余分な緊張を取り除いて頭全体に声を響かせる。32人が定員の高校A部門に25人で挑むには、一人ひとりの声量を上げるのが重要だ。
インナーマッスル(体の内側の筋肉)を鍛えるトレーニングも、声量を上げるためだ。四つんばいになって片手片足を前後に振ったり、腰をてっぺんに三角形を作ったり、毎回20分ほど奇妙なポーズを繰り返す。
合唱部のために高岡西への進学を決めたという吉田恵さん(2年)は「中学の時とは何もかも違う練習で、どんどんうまくなってきた」と実感している。
ただ、一番難しいのは曲の理解と表現だという。今回歌う3曲はすべて外国語。例えば、課題曲の「いとしのピュリスよ」はイタリア語で、愛する女性に振り向いてもらえない男性の気持ちを歌う。
歌詞の日本語訳を読んだだけでは曲のイメージがつかめないのか、生徒らの歌を聴いた白銀教諭は「全然伝わってこない」と感じた。男女役を決めて寸劇をやってみたり、オペラのDVDを見たりして、理解を深め、それを表現しようと取り組んできた。
部長の上田彩奈さん(3年)は「やっとイメージがつかめてきた。3曲それぞれの雰囲気を伝えきって、全国大会に進みたい」と意気込んでいる。(成川彩)
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