7・尚




俺は、直接キョーコに言いたいことがあって、電話をかけた。


最近非通知でかけても、留守電に入れても、キョーコと話せない。 




だが、今日は相手が出た。


『敦賀蓮?』

「敦賀だあ? あいつまだキョーコにちょっかいかけてんのか! それキョーコの携帯だろ? キョーコ出してくれ。」


『あんた誰? 京子の彼氏?』




誰だかわからない女に、俺様の名前を言うわけにいくか!

「俺は・・・幼馴染だ。 キョーコに代われ。」

『えらそーに。 何さまだよ。 京子は誘拐されちゃってるから出られませ~ん。』




はあ? あいつが誘拐だって?

「バカ言ってんなよ。」

『嘘だと思うなら、○時にあんたも○○に来なよ。 京子の居場所教えてあげっから。』

「キョーコに会ったら言っとけ。 俺様の電話に出やがれってな。」






怒りにまかせて通話を切ったが、キョーコにあんなふざけた友達がいるんだろうか。 だいたい女友達なんて、あいつには皆無だったし。

キュララの、俺のプロモ断ってきた女は、あんな感じじゃなかったよな?




しかも敦賀蓮の名前を出して、俺に「あんたも」って言った。

ということは、敦賀蓮はキョーコの居場所を知るために○○に行くってことか。

もし、本当に誘拐だったとしたら、敦賀蓮がキョーコを助ける王子様って事になるのか?

冗談じゃねえ、キョーコの王子様は昔から俺だって決まってるんだよ!






「祥子さん、 この後ってさあ、なんか予定入ってたっけ?」

「ここがおわったら、家で曲書くって言ってたでしょ。」

「ああ、そうだっけ。 ん、わかった。ここ終わったらちょっと出るから。」






俺がキョーコを助け出す!