「最上君、この間のコーナーすごく評判が良かったよ。
あれを見てぜひってオファーも増えたし。 ファンレターもね。
社長の企画と聞いた時にはどきどきしたけど、さすがだね。」
「あれはほとんどプロデューサーさんのアイデアだそうですよ。
社長はかなり無茶な企画をいろいろと出されたそうなんですけど、
テレビ的に無理、と一刀両断したそうです。」
キョーコから真相を聞かされた椹は、そういえば、と思い返す。
「一時、なんかすごい落ち込んで来た時があったっけ。」
「あのお仕事はとても楽しかったので、それが次につながるっていうのは、ものすごくうれしいです。」


「よかったね、最上さん。」
突然現れた蓮に、椹もキョーコも驚いた。
「ありがとうございます。 敦賀さんにもとてもいいお話をしていただいて
とても勉強になりました。」
「そういえば、あの時の約束、覚えてる?」
「約束ですか?」
「三食バランスのいい食事を作ってくれるって。」
「あれって、あの日だけのことじゃなかったんですかぁ?」
「俺、都合のいい時にって言ったよ? 今日はもう仕事ないよね。
さあ、帰ろうか。 じゃあ、椹さん、また。」



キョーコを連れ去る手口の鮮やかさに、しばし呆然と見送った椹は
「あれは、一体誰だ? いやいや、それよりあの二人どうなんだ。
この間のドライブデートの時の蓮もいつもと違う雰囲気ですごく話題に
なってるみたいだぞ。 付き合ってるみたいだって噂もちらほらあったし。 まさか本当に付き合ってるんじゃないだろうな?」
取り残された社に向かって声をひそめた。

「あれは蓮にとっても、転機だったみたいですね。 
キョーコちゃんの人気が出て、馬の骨が増えそうだっていうんで
少し素直になることに決めたみたいです。 とは言ってもまだ告白もできないヘタレですけどね。 キョーコちゃん、これから大変かも。」
「いや、大変って、最上君もそうかも知れんが、会社的に大変だろ!!
・・・社長は知ってるのか?」
「ええ、たぶん。 この前の仕事も蓮とのドライブデートが社長の目論見
だったでしょうからね。 完全に楽しんでると思いますよ、あの人は。」
「交際宣言とかってことになったら・・・。」
「キョーコちゃんですからねえ、まだしばらくは大丈夫じゃないかと。」
「・・・うん。 そうだな。 なにしろラブミー部員第一号だもんな。」
「ですよね。」
蓮の前途多難を思って、安心していいのか、気の毒に思った方がいいのか、大いに悩む椹と社だった。


                                       FIN

☆☆☆☆☆

テレビ愛知で木曜の夜中、声優さんのバラエティ番組に

「こにたんといっしょ」という小西さん企画のコーナーがありまして。


第1弾は小西さんが事務所の後輩の生天目さんとドライブデート。
それを見ていて、蓮とキョーコだったら、と考えてしまいました。


お二人ともホント仲良しって感じで会話したり、
一つのおまんじゅうを半分こしたりして。
「なんか付き合ってるみたいだけど付き合ってないです。」
「付き合ってたら驚きだね。 二人でやってたら、番組。」って
会話にかなり影響受けました。(笑)



しかしながら、イメージとは違って、うまく表現できなかった・・・。
蓮とキョーコだとあんまりテレビ番組中いちゃいちゃも変かな?と、
でも、仲良しな空気感は出したいな、と思ったんだけど・・・。
なんでか蓮がキョーコを落とす気満々になっちゃったし。


やっぱりお話書くのって難しい。