「『京子ア・ラ・カルト』の担当京子です。
コーナーを持たせてもらえるなんて初めてのことなので、
かなり緊張しています。 どうぞよろしくお願いします。 
今日は、松内瑠璃子ちゃんとスイーツバイキングに行ってきます。 
瑠璃子ちゃんとは、デビュー前に1日付き人をさせてもらったことが
あって、以来仲良くさせてもらっています。」


「松内瑠璃子です。 
京子さんには1日みっちりとお世話になりました。(苦笑) 
おかげで初出演の映画がうまくいったといっても過言ではないので、
感謝してます。」


キョーコが恐ろしいものでもみたように愕然としている。


「なによ、女の子がそういう顔するんじゃないわよ。」


普段の瑠璃子からは抑え気味の言葉で小声でたしなめる。


「だって、べつに感謝されることなんかしてないのに、
瑠璃子ちゃんってほんといい人ね!」


キョーコに素で感動されて、瑠璃子は照れたようにそっけなく促す。


「さ。 早くスイーツバイキング行きましょう!」




「瑠璃子ちゃんはもう映画とかお芝居とかしないの?」


「ええ。 あの時の敦賀さんやあなたを見て、中途半端はよくないなって
思ったわ。 私は私にしかできないこと、一番やりたいことを一生懸命に
やっていこうって。 そう思えたのも、あなたのおかげ。」


「私こそ、あの時があったから、お芝居をうまくなりたいって思うように
なったんだから、瑠璃子ちゃんには感謝してるの。」



仕事や学校について話しながら、

お互いケーキの好みを言い合ったりすすめあったり、

飲み物をかえっこしながら飲んだりと、
普通の女子高生という感じのキョーコと瑠璃子の楽しそうな様子は、
なかなかな好評だった。