しまったー!

昨夜、某サイト様にお邪魔して見つけてしまった。

ネタかぶってるー。

温存しなければよかった。_| ̄|○

まあ、私のはあんまりうまくないけど・・・。

言い訳はあとで ヽ(゚◇゚ )ノ 


★★★★★


『ハッピー・クッキング』



事務所に寄ったついでに、ラブミー部の部屋を訪ねる。

社さんが用事を済ませるまでの時間を使って

最上さんに会って、心の栄養補給のつもり。

ドアをノックして、返事を待ってドアを開けると

ピンクのつなぎを着た最上さんが一人で居た。

他の二人はいない。

「お邪魔していい?」

「どうぞどうぞ。」

最上さんは机の上にノートを広げて、何か書いていたようだ。

「お茶入れますね。」

「ありがとう。勉強中だった?」

「あ、いえ。えっと。」

恥ずかしそうに、口ごもる。

可愛い。でも、俺には言いにくいことなのかな?

笑顔で促すと、

「あの、ですね。お料理の本を出させていただく事になりまして。」

「それは、すごいな。最上さんの料理はおいしいから。それが認められたんだね。」

「どうせなら演技で認められたいんですけどね。」

それで、言いにくかっただけ、か。よかった。

事の始まりは、先日放送されたスペシャルドラマ
『ハッピー・クッキング』の出演からだったそうだ。

全国高校生クッキングコンテストに青春をかける三人を描いた話で、その大会で優勝した男子高校生が、ブログに書いていた顛末が基になっているのだが、卒業後シェフになった彼が、ハッピーグレイトフルパーティーのお助け若葉シェフの一人で。

彼の推薦で主人公の三人のうちのリーダー役にと最上さんに声がかかったのだ。

実質、主演だ。

他の二人もオーディションでそこそこの腕前を披露した男女の若手俳優だったのだが、ドラマの中での料理のアイディアはほとんど最上さんが考えたレシピだったらしい。

その問い合わせがドラマ直後からテレビ局に入るようになり、急きょ局のホームページで紹介するようになったと。



「それがすごく評判が良くて、パーティの時の料理もネーミングやオリジナリティが面白いって言っていただいて。フードコーディネーターの方に協力していただいて、1冊料理本を出さないかってお話になっちゃって。それで、新作をあといくつか加えなきゃいけなくて。」

なんだか面映ゆいのですが、なんて

てれてれと笑うのが可愛くて。

すごく甘い顔になってしまっていた気がする。


パーティのレシピはマリアちゃんと一緒に考えたので、本にマリアちゃんの名前も載せてもらうんです、とさらに嬉しそうに話してくれる。

メイキングの写真やプライベートショットも少し入るらしく、局の入れ込み方が分かる。

「実際に作ったりもするの?」

「そうですね、メニューをいくつか考えたら、試作してみないといけないんですけど、ただ・・・」

「食べてみたいな。」

彼女の話の途中なのに、思わず口から零れ落ちていた。

「あのパーティの時も俺行くの遅かったから、最上さんが作ったのは結局食べてないし。」

「敦賀さんがそんなに食に積極的な発言って、なんか珍しいですよね。」

「そんなことないよ。君の作ったものなら、いつでも食べたいよ。」

軽く笑っていた表情が、見る間に赤くなっていく。

いや、そんなに意識されるとこっちも恥ずかしいんだけど・・・。

「敦賀さん、そんな勘違いされちゃうようなこと、言っちゃだめですよ。私じゃなかったら、プロポーズかと思われちゃいます。」

ちょっと怒ったように、言われてしまった。

君にしか言わないし、確かにまだプロポーズは早いんだけど・・・本音だよ。

「でも、食べる気になって下さったのは嬉しいので、そのうち作りにうかがいますね。」

「毎日でもいいんだけどね、俺は。」

「だーかーらー、そういうことは言っちゃだめですってば。」

「はいはい。期待して待ってます。」

軽くあしらうと、ぷっと膨れた顔がまた可愛い。

「そういえば、ただ・・・の続きは何だった?」

「え?ああ、試作しなくちゃいけないんですけど、場所が無くて困ってるんです。だるまやの厨房は営業時間外じゃないと借りられないし、事務所の食堂も結構夜遅くまでやっていてダメだそうなので・・・。今週中に提出しなくちゃいけないので、社長に事情をお話して、社長のお宅のキッチンをお借りできるようにお願いしようかと・・・。」

「そうなんだ。・・・・じゃあ、これ。」

俺はカードキーを差し出した。

彼女はそれを見つめて小首を傾げた。

「うち、使って。俺が居なくても勝手に入っていいから、好きなだけ使うといいよ。」

「えー、だめですだめです。そんな、敦賀さんのおうちに勝手に入ったり、ご迷惑になるような事できません。」

「なんで?迷惑じゃないよ。俺も最上さんが作った物を食べられるし、最上さんもキッチンが自由に使えるし、一石二鳥だろう?」

「でも・・・。」

躊躇う最上さんにダメ押しの一言を。

「俺、最近一日一食くらいしか食べてないんだよね。しかもコンビニおにぎりオンリー?」

「え!? ダメじゃないですか! 健康維持の為にも栄養バランスのいいものをちゃんと召しあがらないと!」

「じゃあ、栄養バランスのいいものをちゃんと作ってくれる?」

「うう、ずるいです。そんなこと言われたら・・・。」

「だから、はい。」

彼女の手にカードキーを握らせる。

「でも、これをお借りしてしまったら、敦賀さんがおうちに入れなくなるんじゃないですか?」

「大丈夫、それ、予備だから。いつも社さんが使ってるやつ。」

「じゃあ、社さんが困るんじゃないですか?」

「他にも予備キーはあるから、大丈夫。だからね。」

やっと納得したのか、彼女が大事そうに両手でカードキーを包み込んでくれた。

「すみません。じゃあ、あの、お借りします。」

「うん。いつでも好きに使って。」

「ありがとうございます。」


俺の言い分にわたわたしてたくせに、丁寧なおじぎの後、上げた顔はなぜかやる気満々になっていた。
「敦賀さんの健康維持の為、たくさんお料理作り置きしておきますね!」

いや、激しく主旨が間違っちゃってるから。

君は、料理本のためのレシピの試作をしに来るんだよね?

「もちろん、そうなんですけど。いい機会ですから、常備菜とか保存食とか、あと冷凍しておける物を・・・。」

「それは、ついででかまわないから。仕事の方を優先、ね。期限が近いんだろ。」

「・・・はい。 最上キョーコ一生懸命がんばります!」



これからしばらく彼女の手料理が食べられる。

それだけで、心が浮き立つような気持ちになる。

時間があえば、おかえりなさいって言ってもらって、

一緒に食事をして、送って行って・・・。

(泊まってはくれないだろうからね。)

そんなことを考えるだけで、すごく幸せな気分だ。

ドラマと料理本を企画してくれた人に感謝、だな。

さあ、社さんに会う前に、緩みっぱなしであろうこの顔を

いつもの敦賀蓮に戻さなくちゃ。

あの人にからかわれ続けるのは、ごめんだからな。

               Fin

★★★★★








あまりに蓮が幸せそうだったんで

温存しちゃってたんです。(どんな理由だよ!?)


料理本だすとこが某サイト様とかぶってました。

うちのお話とは違ってもっと素敵なお話ですからー。


このお話は長編を書くつもりだったんですが、

調べた事をうまくドラマに転換する事ができなくて・・・。

全国高校生クッキングコンテストの話を書きたかったんですが、

練った挙句、数行でおわった。

力の無さに、自ら失望。

だから書き上げてもアップしなかったってわけでもないけど。


地元局で良く取り上げられる隣県の学校があるんです。

公立で調免が取れる高校。

そこは有名なんですが、当県にもあります。

次男が通ってました。結局やめちゃって

調免は取れなかったんで・・・。


ブログのくだりは完全に作りです。

でも一時期そういうブログネタをドラマにって

流行りましたよね。


そんなこんなで悲しいいい訳でした。


最後まで読んでくださってありがとうございました。