こんな季節なのに

私の心の中には

しんしんと 雪が降っている


街の喧騒は 虫の鳴き声と同じで
なんの違和感もなく
ただ私の肩先をかすめる
透明な私の肩を

私はここにいるようで
ここにいない

ひとりだし
ひとりじゃない

でも
近づかない

もう遺跡となった
美しくおぞましい場所には
触れたいとは思わない

私には今がある
今を生きるのが私
過去を生きているのは

私の遺灰

それはあなたも同じ

少しづつ
儚い砂を零れ落としながら
削りとられ、なんらかの彫刻を刻むように
私は生きています



 

なにもかもが 分解

どこまでもひんやりとした
腕と土と骨

同化すれば
きっと
ひとつになって
何もかんじなくなる

そして蒸発して
美しい雨となって
降り注ぐことでしょう

ひんやりと しっとりと
包容力のある大地

血脈のようにやさしい
水分を含んだ大地

いつか 私は
そこへ 還る日がくるでしょう
私が心から望むものは

手に入らないのでしょうか


すごく

かなしい

っていうか

くやしい

っていうか

どうしていいか わからない


心が 静かに泣いている

さめざめと

ほんとうははげしく泣きたい

大声で


不器用で まっすぐすぎる

硝子のペンみたいに

上手く 文字や ことばを紡ぎだせないで 喉が詰まる

ちょっと 力を入れすぎたら

いまにも 砕けてしまいそう

強がり

意味を成さないプライド

平気なふりして あとでひとりで泣くなんて

ほんと ばかだよね


そんなときは暗闇が友達

涙なんて透明で見えないからね

安心して いくらでも泣ける

雨にまぎれるのもいいかもしれない



最近はなくしものをしてばかりで

大切にしたかったものほど

器用に距離をはかるなんてできずに

アクセル ブレーキ ハンドル パニック

どれも うまく操れない

近づきすぎては あなたの顔がぼやけて

遠ざかりすぎては もう あなたの微笑さえみえない








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夜が瞬きしている


星が 気づいてほしくて

ぱちり

君にウィンクしてるんだ


再会の夜明けを 待ち侘びては

迷いの横顔を そっとちらつかせる


さあ

扉をひらいて そっと

細めた そのやさしい瞳を

わたしによくみせておくれ