2008年2月から2009年2月まで1年間私はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスにいた。

「いた」のである。

一応留学という名目ではあったが。

アルゼンチンでは学んだことは勿論たくさんあったが、お金がなく、学校に言って勉強はあまりしていない。

大抵家にいて新聞や本を読み、家の人と話したりして時間を過ごしていた。

今考えるとすごくラテンアメリカで自由な時間を持てるという貴重な経験だっただけに、もっと外にでなかったのはもったいないが、覆水盆に返らずである。

帰国後すぐに自らのふがいなさに気付き、熱心に勉強するようになったという点では決して無駄ではなかった。

外の世界を見てきて、自分の小ささに気付く、こんな経験ができるのも若いうちだけなのかもしれない。

近年、日本の若者が外国に出たがらないそうだ。

私のような向こう見ずな外国進出はお勧めできない。しかし海外にでれば悪いこともあるし、良いこともたくさんある。円高で海外旅行も以前よりしやすくなったはずだ。いつまでも井の中の蛙でいるのではなく、大海を知ってほしい。

2月上旬に学校が終わり、3月中旬の仕事開始まで時間があるのでどこかに貧乏旅行しようかと考えている。

冬は航空券が安いロシアか、知り合いの多いイタリアか、または安くて近場のアジアか。

特にロシアなんて今回行かなかったら一生行きそうにないしなぁ。折角4年間ロシア語やったんだし使ってみたいなぁ。それならイタリア語も使ってみたい・・。

急に思いついてまた幸せな悩みを増やしてしまった・・・。

そんな悠長なことを考えている間に卒論の締め切りがひしひしと近付いている・・・。


私に大きな影響を与えたウルグアイの作家、エドゥアルド・ガレアーノを紹介する。
1・”Las venas abiertas de America Latina”(邦名:収奪された大地)
ベネズエラのチャベス大統領がオバマ大統領に贈った本として一躍有名になったこの本。アメリカ大陸の発見からスペイン人・ポルトガル人・イギリス人・米国人に蹂躙されてきたラテンアメリカの叫びを集結させたラテンアメリカを知るためのバイブル。古い本だが現代的意味を失っていない。これを読まずしてラテンアメリカは語れません。
Las venas abiertas de America Latina/ Open Vein.../Eduardo Galeano
¥3,554
Amazon.co.jp
2・El libro de los Abrazos
本文は短いがチクチクするような刺激ある文章で新自由主義や人間の愚かさを批判している。
El Libro de Los Abrazos/Eduardo Galeano
¥1,470
Amazon.co.jp

3・El futbol a sol y sombra(邦名:スタジアムの神と悪魔)

小さい頃はどのウルグアイ人の少年が望むようにサッカー選手になりたかったという作者のフットボールに対する熱い思いが伝わる本。フットボールの起源や2006年までのワールドカップの批評、さらには今アルゼンチンで密かに話題になっている「マラドーナ教」に関しても言及されており、フットボールに関することなら大抵のものを紹介している。その中でもさらりと政治を批判していることがガレアーノらしい。

サッカー大陸南米の矜持を感じさせる本。
El futbol a sol y sombra / Soccer in Sun or Shade/Eduardo Galeano

¥1,926
Amazon.co.jp


今週は本を少し読んでみました。暇だから。

今週は激しいのが多かったね。


1・「外套・鼻」 ゴーゴリ  好きだなぁ、ゴーゴリ。「鼻」が役人となって何食わぬ顔で歩いていく姿や、高価な外套を仕立てるために究極の極貧生活を送る主人公の描写が面白い!

外套・鼻 (岩波文庫)/ゴーゴリ
¥504
Amazon.co.jp


2・「金閣寺」 三島由紀夫 美しい金閣寺を崇めながらも、醜い自分と対比し、劣等感を抱く僧侶がいかにして金閣寺を燃やすにいたるかを描いた名作です。

金閣寺 (新潮文庫)/三島 由紀夫
¥580
Amazon.co.jp


3・「私のマルクス」 佐藤優 とてつもない学生時代を送った筆者の半生を振り返り、その中で多大な影響を与えたマルクスや宇野弘蔵、フロマートカの思想を紹介する(恥ずかしながら私にはその思想はさっぱり理解できないが)。とはいっても、今の学生が赤子にみえるほど激しい学生運動をやりながらも本を読み、勉強をし、酒を飲み、議論に熱中した著者の姿に感激するのみです。

私のマルクス (文春文庫)/佐藤 優
¥750
Amazon.co.jp


4・「狂人日記」ゴーゴリ

狂人日記 他二篇 (岩波文庫 赤 605-1)/N.ゴーゴリ
¥630
Amazon.co.jp

罪と罰〈1〉 (光文社古典新訳文庫)/フョードル・ミハイロヴィチ ドストエフスキー
¥860
Amazon.co.jp

言わずと知れたロシアの文豪ドストエフスキーの代表作「罪と罰」。一応ロシア語を学んでいる身として読んでおこうと思い、2年生の夏に読もうと思ったが、あまりの長さに挫折した。今年の秋に東京外国語大学に行った際に本書を翻訳された亀山郁夫学長の講演を聴いたのを機会に、また挑戦してみた。主人公ラスコーリニコフ少年が金貸し老婆を斧で切り殺し、一度は殺人を正当化するものの、後に罪を犯した者の苦しみがじわりと彼を襲う。

「カラマーゾフの兄弟」に関しては、翻訳された亀山先生の話によると、父殺しを扱ったこの本がロシア文学としては空前の大ヒットを記録したことで、ある種の危機感を覚えたという。つまり、19世紀にこれらの本が出版された当時は「父殺し」というある種のタブーを描いた相当ショッキングな本として扱われた。

しかし、100年以上の時が経ち、秋葉原での大量殺人事件など、凶悪殺人が続く現代ではこの本はスキャンダラスで現実を超えたものではなく、単なる日常を描いたミステリーものとしてとらえられているのかもしれない。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)/ドストエフスキー
¥760
Amazon.co.jp

2011年3月からメキシコに3年間働きに行くことになった。

やっと長い長い就職活動から解放されることになった(一般に言う就職活動といえるようなものではなかったが)。

しかもその行き先が恋焦がれていたメキシコ! もともと勉強ももっとしたかったし、ラテンアメリカの地で働きながらスペイン語、ポルトガル語、ロシア語、イタリア語、英語などなどの語学のレベルアップに加え、当地でしかできないラテンアメリカの政治・経済情勢の勉強もできたらいいと思う。

もし合格できていなかったら大学院に進学するつもりだったけど、正直いって年齢や家庭の事情を考えるともう親には迷惑をかけられない。3年後にはどう自分の考えがどう変わっているかわからないけれど、今のところはずっとやりたいと思っていてなれなかった新聞記者か大学院進学を考えている。3年後には26歳になっているのだし、自分のやりたいことと経済面をよく考えて行き先を決めたい。

今考えてみると私が大学院に行くには考えかたが稚拙過ぎるし、経済力もない。メキシコで充実した3年間を送り、日本に帰ってきたい。

今週の本

1.大地の子 1~3            山崎豊子

2.パンツの面目 ふんどしの沽券 米原万理

3.Mi pais inventado Isabel Allende

4.パリの憂鬱               ボードレール

5.千畝                   ヒレル・レビン

今週読んだ本

1・大地の子(一) 山崎豊子:ドラマ化されたものの原作。文化大革命時の中国の毛沢東や共産主義への傾き具合は今もそれほど変わっていないのではないかと感じさせられる。

2・不実な美女か貞淑な醜女か 米原万理:尊敬するロシア語通訳の米原万理さん。抱腹絶倒、笑わずには読めない。最高のギャグセンス。

3・魔女の1ダース 米原万理

4・ガセネッタ&シモネッタ  米原万理

5・ラ米取材帖  伊高浩昭:元共同通信記者の伊高さんが生涯を通して歩き渡ったラテンアメリカ取材の総決算。特にパラグアイ最大の独裁者、取材不可能とされたストロエスネルへの取材の件は見ものです。

6・帝国アメリカに近すぎた国々 ラテンアメリカと日本 石井陽一